HONDA CROSS CUB 110/50

連載新車体感 ニューモデルインプレッション

No.
192
連載新車体感 ニューモデルインプレッション

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※公開中の誌面内容はNo.192(2018年3月24日)発売当時のものになります

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昨年、世界累計生産台数1億台を達成するとともに、日本生産(熊本)となったスーパーカブ。お次はなんとクロスカブもフルモデルチェンジして国内生産化。しかも新たに“50”も登場したぞ!

文:谷田貝洋暁/写真:武田大祐

 

新型クロスカブ。そのタフなルックスに思わずやんちゃしたくなる!

新型クロスカブ110のスタイリング

 

新型クロスカブはなんだかよりダートが楽しいぞ

乗った車両のカラーがモスグリーンであることも大きいのだろう、このジープのような新型クロスカブのたたずまいのおかげで、ひと目見た瞬間からジャリ道が走りたくてしかたない(笑)。

 

今回の試乗インプレッションにあたっては、数日間ほど自宅からの通勤にも使ってみたのだが、あまりの楽しさにインプレッションとかこつけて、近所の河原や田んぼの畦道を無意味(?)に走り回ってしまったほどだ。

 

だってこんなブロックパターンのタイヤを見せられたらねぇ。しかもこのIRCのGP-5というタイヤは新型クロスカブのために、タンデム要件もきっちり考慮して新開発したものらしい。そんな開発小話を聞かされたらね、ダートに持ち込むしかないでしょ?

 

というわけで、まずは勢いにまかせてダートの感想から書いてしまおう!

 

やはり新型のブロックタイヤもいい感じ。見た目にはそれほどブロックも高くなくて舗装路でのロードノイズもそれほどないにも関わらず、意外とダート路面に食いついていく。もちろんカブのノーマルタイヤと比べればの話だけど、タイヤが負けてズリッとすべってしまいそうな小ジャリが浮いた場面でも、意外に踏ん張ってくれるのだ。

 

それにポジションが改善されてスタンディングもしやすくなった。前モデルは、ステップに立ち上がるとハンドルが少しだけ高くて遠く、若干体がくの字になる印象だった。新型はハンドル形状が変わり、幅も20㎜ほど短くなったことが大きいのだろう、スタンディング時にはきちんとステップの中心線上に体の重心を残したままで、自然にハンドルを操作することができる。おかげでスタンディングポジションでのリーンアウトの姿勢もとりやすい。サイズアップして強くなったチェーンのおかげで駆動にダイレクト感が出たような気さえする。

 

よし、こうなったらフロントアップしてみるか? あのギャップでちょこっとジャンプを…、なんてことをやっているうちにどんどんペースが上がってくるから不思議だ。いや、上げたくなってしまうと言ったほうが適切か(笑)。

 

まぁ、とにかく新型のクロスカブは、カッコや雰囲気だけじゃなく、ダートがめっぽう走りやすくなっている。それだけは確実。タンスタ編集部が太鼓判を押そう。

 

 

サスペンションの動きが上質になった新型

さて、ここからは気を取り直してロードセクションのインプレッション。

 

新型のクロスカブは、昨年モデルチェンジしたスーパーカブ同様、生産が中国から熊本製作所に移管。基幹部品も同様のブラッシュアップを受けている。列記すれば、エンジンのカムチェーンまわりの見直しで静粛性がアップ。カートリッジ式のオイルフィルター追加で整備性アップ。シフトドラムにニードルベアリングを追加、などなど。単体で乗ると非常にわかりにくい変化だが、きちんと乗り比べてみると、工業製品として単純によくなっていることが体感できる。

 

ただ今回の新型クロスカブの試乗で一番驚いたのはサスペンションまわりの改善だ。なんだかものすごく上質な乗り心地になっているのだ。旧型のクロスカブはオーストラリアの郵政カブがベースということもあってだろう。なんだかサスペンションにフワフワとした落ち着きがないところがあった。それが見事になくなっている。それどころか、コーナー進入でフロントサスペンションを縮めてグリップを確保しながらコーナリング…、なんてロードスポーツモデルみたいな走りがしやすくなっている印象だ。リヤショックに関しては、スーパーカブ同様、下側取り付け部の位置を数㎜外側に広げることで“ハ”の字とし、スイングアームまわりの剛性をアップさせたことは見ればわかる。…でもそれだけじゃここまで変わらないハズだ。

 

思わずホンダさんに「ナニやったの?」なんて問い合わせてしまったが、国内モデルとして発売するにあたり、従来のクロスカブからはストローク量こそ変えてないそうだが、フロントフォークは、なんと中国メーカー製から、国産ショーワ製に変更。そして日本人に合わせた新セッティングを採用しているという。リヤショックに関してもリセッティングしたという話である。クロスカブはこれをもってビジネスモデルから、ロードスポーツモデルへと進化したと言っていい。ホンダさん、この際クロスカブをカタログ上でビジネスモデルに分類するのはやめて、ロードスポーツモデルとして、グロムの隣に並べた方がイイんじゃない?

 

閑話休題、お次はタンデム。このクロスカブ110には、モデルチェンジでタンデムステップが追加されている。もちろん二人乗りもやってみたけど、これは“できなくはない”という印象だ。窮屈とかパワー不足とかそういう問題ではなく、タンデムするとちょっとフロントの接地感が希薄になり、プリロード調整機構があるなら、その場でいじりたくなるくらいの挙動変化が出る。“できなくはない”と書いたのは長時間のタンデム走行はちょっと疲れそうだからだ。ただ、それにしたって、“できない”と“できなくはない”との間には、天と地ほどの差がある。いざというときにタンデムできるようになったことを素直に喜びたい。

 

次ページではクロスカブ110のディティール&足つきを紹介

※記事の内容はNo.192(2018年3月24日)発売当時のものになります

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