SUZUKI V-STROM650

特集エンジン大解説/実走編:2気筒

No.
203
特集エンジン大解説/実走編:2気筒

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※公開中の誌面内容はNo.203(2019年2月23日)発売当時のものになります

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SUZUKI V-STROM650 走行イメージ

 

道なき道を進むアドベンチャーモデル。Vストローム650はトラクション性にすぐれたV型2気筒エンジンを搭載し、舗装路からダートまで幅広いフィールドに対応している。

文:横田和彦/写真:関野 温

扱いやすいトルク特性はあらゆる場面で活きてくる

V-STROM650のスタイリング

 

低回転域からなめらかに続くトルクが武器!

Vストローム650を語るときに外せないバイクがある。それはSV650だ。といっても現在発売されているモデルではなく、99年にデビューした初代SV650である。そのころのスズキには1000㏄のV型2気筒エンジンを搭載したTL1000Sというフラッグシップモデルがあった。かなり荒々しい乗り味だったことでも有名だが、その弟分のSV650はまったく異なる性格。ハーフカウルを採用したスタイリングこそ似ていたが、搭載された650㏄V型2気筒エンジンは誰にでも扱いやすい性格だった。しかもただ大人しいだけじゃなく、中〜高回転域では弾けるように回りスポーツ走行を満喫できた。自分の仲間内でもそのアクティブな乗り味が話題になり、サーキットに持ち込んで大排気量車に挑む人がいたほど。SV650は中間排気量に抵抗が少ない欧州を中心に大ヒットし、エンジンや車体を進化させながら現在まで生産が続いている。

 

その名高いエンジンを搭載したアドベンチャーモデルがVストローム650なのだが、04年にデビューしたとき販売の主力は欧州だった。そのころの日本はまだアドベンチャーモデルというカテゴリーが確立しきっていなかったのだ。スポーティなネイキッドからアップライトなアドベンチャーへの変化は好意を持って受け入れられ、上位機種のVストローム1000とともに大ヒットモデルになった。

 

そして13年のフルモデルチェンジと同時に日本でも発売が開始された。アドベンチャーモデルとはいうもののVストロームシリーズのメインフィールドは舗装路。それはフロント19/リヤ17インチのキャストホイールを採用していることからもわかる。しかしダート走行を無視している訳ではない。追ってワイヤースポークホイールモデルが追加されたことや、17年のモデルチェンジでトラクションコントロールシステムが採用されたことなども未舗装路などでの走破性を求めた結果だ。

 

だがダート走行でなにより大きな武器になるのは、搭載されているV型2気筒エンジンの卓越したトルクデリバリー特性である。SV650のころから評価が高かったエンジンは年を追うごとに磨き上げられ、どの回転域からでも非常になめらかにトルクを生み出す特性になった。それに加えリヤタイヤが路面をつかむ感覚がリアルに伝わってくるので、どんな路面状況であってもアクセルを開けやすいのだ。

 

実際にダートに入るとその特性が明確に体感できる。装着されているタイヤがオンロード寄りなのでダートに入る瞬間に緊張が走り、サスペンション越しに不安定な路面状況が伝わってくると自然と肩や腕に力が入ってしまう。しかしコイツは何事もなかったかのように…というと言いすぎかもしれないが、予想していたよりもはるかにスムーズに砂利道を駆け抜けていく。V型2気筒エンジンは低回転域からアクセル操作に対して従順に反応し、後輪に過不足なくやさしくトルクを伝えるので、急にすべるようなことが起きず不安を感じにくい。大柄な車体だけに意図せずバランスをくずすことも心配だったが、V型2気筒エンジンによるスリムな車体と軽さ、そしてしなやかなサスペンションの動きがその懸念を払拭してくれた。

 

ツーリングに行ったとき知らぬ土地で突然、未舗装路が現れても必要以上にアセらずに済み、目的地が林道の奥であってもためらわずに入っていける。Vストローム650はそんなアドベンチャーな旅を多くの人に体験させてくれるバイクなのだ。

完成度が高いV型2気筒エンジン

熟成を重ね、洗練されたV型2気筒エンジンはコンパクトで振動が少ない。低〜中回転域では鼓動感をともないながら後輪にトルクが伝わり、そのままアクセルを開けていくとなめらかに力強く吹け上がっていく。2段階切り替え式のトラクションコントロールシステムと、発進時や低回転走行時にエンジン回転をキープするローRPMアシスト機能を搭載している。

 

SUZUKI V-STROM650 エンジン

 

次ページ:V-STROM650のディテール&足つきを紹介!

※記事の内容はNo.203(2019年2月23日)発売当時のものになります

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