空を見て思うこと

午後、なんとなく外に出て空を見上げた。PM2.5も黄砂も花粉も気になるが、このポカポカ陽気である。冬のあいだに蓄積した体中のいろんなものが日に干される気分は悪くない。しばらく無心に日光浴をし、それからゆっくりと二年前の今日を思い出した。あの日も、こんなフツーのある日、突然だったな、と思い出す。東京にいた自分ですら当時の予期せぬ事態に頭の中が混乱し、ただただ恐怖を感じ、身内や友人知人の安否を確認することしか考えつかなかったのだから、被災地の方々の負った傷の深さはどれほどのものだろう。

 

あれから二年経った。二年後の現在の自分はというと、去年、ようやく室内の水槽から庭の池へと引っ越ししたカメが、3日ほど前に無事冬眠から目覚めて顔を出しているのを確認できホッとしている。これで室内の水槽は金魚のみとなった。最終的には庭に移動できるだろうか。庭にも食べられる野草がちらほら生えはじめている。特にふきのとうが毎年少しずつ増えてきているのはうれしい。ベランダにはキャンプ用品が収納ボックスにまとめてあるが、置き場はまだ検討中だ。非常用袋のような類はこれまで「備えているとホントにそうなる(から備えない)」というジンクスを持っていたので何も用意してはいなかったのだが、備えていようがいまいがその日は突然くることがわかった現在、完全にあのジンクスはなくなり、飲料水や乾物、缶詰、ゴミ袋など、使えそうなものを思いついてはちょこちょこ用意するようになった。昔はあこがれだった壁一面の本棚も、最近は自分の背丈以上の家具には抵抗感を持つようになり、物の素材も割れ物はあまり選ばなくなったように思う。大したことはできていないけれど、少しずつかわっている。

 

日が暮れてきた。いつもとかわらない毎日に感謝しつつ、また少しずつかえていこうと思う。

チャンカメ

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チャンカメ

タンスタ創刊号の〆切間際に入社した古株女子だが貫禄はまるでナシ。かわいい=へんなものについつい手が伸び、デスク周りは癒やし(?)小物だらけ、少々アク抜きの必要な40代。イラスト担当。愛車は現在Z250。乗るたびに ”最近のバイクはすごいな〜” と可愛さ倍増中☆

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