気が付けば…

もう8月も最終週。毎年のことだが8月はあっという間に終わる。いつの間にか陽が短くなり、セミの声も聞こえなくなっているのだ。ただ、今年はなぜか異常な暑さだけがジリジリといつまでも残っている。

暑さといえば、おもしろいテレビ番組を観た。8月19日に都内で行なわれたバイクの日をフジテレビのニュース枠でレポートしていたのだが、「ライダーの暑さ対策に学ぶ」という内容だった。

ようはこのクソ暑いなかでも長ソデを来ているライダーは暑くないのか? という切り口で最近ライダーに流行っている高性能インナーや日焼け対策をレポートしていたのだけれど、テレビがそんな切り口でバイクを取り上げることはとてもめずらしいと思ったのだ。

バイクがテレビに取り上げられるネタといえば「暴走族」や「ひったくり」、「ドラマにおける彼氏の不運な死因」なんて感じで悪役にされるのが関の山だが、イベントに来場した一般ライダーのインタビューをしたり、女性レポーターがバイクに乗って走り回るなんてシーンまで放送されたりして、とても好意的な取り上げ方だった。

そういや、この夏は、世田谷美術館でヤマハのオートバイのデザインを担当しているGKデザインの展覧会が行なわれたり(〜9月1日まで)、経済産業省が国益産業としてバイクを認め、バイクの成長戦略に対して積極的に取り組んでいくというニュースもあった。後者を詳しく書けば、国内での販売台数を現在の40万台規模から100万台規模に戻して、世界シェアでも50%にしてマナーアップも推奨するというもの。経産省という国の機関がバイクという産業をバックアップしてくれるというのである。そんなわけでなんだかこの夏はずいぶんとライダーにとって明るい話題が多く、わさわさと動き回っているうちに1ヶ月が終わった。

世の中のバイクに対する意識が変わってきたのだろうか? ぜひそう思いたい。いや、短絡的な僕はそう思うことにした。いよいよバイクが陽の当たる場所に出そうな予感。この秋もあっという間に終わりそうだ。

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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