コトバ遊び

バイク雑誌に限らないことだろうけど、専門の雑誌を作っているとズイブンと思考や連想の仕方がかたよるもんだ。たとえばニンジャ。僕らは
「カワサキのニンジャはかっこいいよね」
「そうそう。赤のツートンがいいよね!」
「あれ速そうだよねぇ」
なんて会話をするのが日常茶飯事だけど、バイクにまったく興味のない人がこの会話を小耳にはさんだら…

川崎の…忍者?  忍者の里って伊賀とか甲賀じゃないのか?  神奈川県・川崎市にもあるのか?  しかも赤のツートンって、忍者ってそんな目立つカラフルな服を着ていいのか?  しかも速そうとかって、忍者なんだからすばやいのは当たり前だろ?  おそらく、その人の頭では、ツートンカラーの装束に身を包んだハデ好きの忍者が、すばやい動きで川崎駅前を駆け抜けたことだろう。
何のこっちゃ。

ざれ言をもう一つあげれば、バイク用語とファッション用語のコラボも楽しい。女性誌の電車の中吊り広告にはいろいろキャッチーな言葉が並べられているけど、バイク用語っぽい言葉にはついつい反応してしまう。たとえば…

『アクセ感覚で羽織るレーシーなかぎ編みが可愛いざっくりニットストール』

どこをどう変えていいのかまったく見当がつかないので、見付けた言葉をそのまま原文流用するとこんなカンジ。これをバイク脳変換すすると…

『アクセ(ル)感覚でアオるレーシーな鍵穴が可愛いざっくりニットストール』 

なんだかよくわからないが、最後にエンジンストールを起こしたことだけはわかった。キーワードの中でも、とくに“レーシー”とか“勝負服”という言葉の響きがヤバいね。バイクに汚染された脳みそは、いろいろな文字列から目ざとくそんな文字を見付けるんだけど、もう妙にスケスケのレーシングスーツしか思い浮かばない。言うまでもなく、レーシーとは、スピード競争(RACE)のことではなくて、アミアミのレース(LACE)のこと(だよね?)。そんな文字を見付けるたびに、僕の頭のなかには、白くて妙にスケスケな勝負服に身を包んだV・ロッシが、いろんなものをそよがせながら駆け抜けるのだ。
何のこっちゃ。

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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