今年4度目の北海道は弟子屈でムルティストラーダ!

のっけからなんだが❝弟子屈❞という地名を読めるだろうか? 昭文社のツーリングマップルとニラめっこしながら北海道を旅した僕にはフツウに「テシカガ」と読める…というか覚えている地名なのだが、ドゥカティの新型ムルティストラーダの試乗会が行なわれた弟子屈町の副町長によれば、最近は屈斜路湖とか摩周湖という町内の主要観光地は知っていて読めても、町名である弟子屈を読めない人が増えているんだとか。北海道を旅するライダーにとって、弟子屈は道東地域を走るうえでの主要交差点みたいなもの。「網走に行くにしても、ここからなら弟子屈まわりの方が早いよ」ってなカンジでライダー同士の情報交換の場でもひんぱんに出てくる地名だったから、まっ先に覚えたんだけどねぇ。カーナビなんかが普及して、だいぶそのあたりの事情もかわってきているのだろうか。

なんで弟子屈(そろそろ覚えたテシカガ?)から話を始めたかというと、今回のムルティストラーダの試乗会が弟子屈町の全面的なバックアップをいただいての開催だったからだ。PRついでに書けば、「弟子屈町(テシカガチョウ)は、北海道釧路総合振興局管内の川上郡にある町。町名の由来はアイヌ語の「テシカ・カ」(岩盤の上)から」…なんてコトがウィキペディアに書いてある。面積は774.33 km²でだいたい茨城県と同じくらいらしい。町なのに県レベルとはえらい広い町である。

↑弟子屈町がMultistrada1200Sの試乗会を全面的にバックアップ!

 

普段は解放していない林道を使用してのロングダートインプレッションもできた。これも弟子屈町のバックアップのおかげだ

 

さて、そんな自治体とタッグを組んで行なわれた試乗会だから、宿泊地が弟子屈なら、走る場所もすべて弟子屈内。町営施設の駐車場で行なわれた新旧ムルティストラーダとスタンダード車両の比較テストライドから、峠道から平たん路までツーリング仕立てで行われた約170kmの試乗走行まですべて町内なのである。すごいのは、スポーツバイク、ツーリングバイク、街乗りバイク、オフロードバイクの4台一役のムルティストラーダというオートバイの体験試乗を行なうあたって、町がムルティストラーダの特性に合わせた試乗環境の提供に全面協力してくれた事実である。僕もこの10数年、いろいろなオートバイの発表試乗会に参加してきたが、ここまで自治体のバックアップ体制が整った試乗会は初めてだ。なかでも驚いたのは僕らのためにダート林道を1本を占有し、貸し切りでのテストスペースを用意してくれたこと。役場の人が立ち合いのもと、10km弱にわたりクルマの遮断を行なってくれたから、存分にムルティストラーダのオフロード性能を試すことができたというわけだ。

ワインディングをヒザするように走れて、しかも林道も旅も楽しい。こいつはまさに4in1バイクだ

本誌での試乗記もあるので詳しいインプレッションを書くつもりはないが(次号7月24日発売のタンデムスタイルを見てね)、林道で安全が確保され公然とぶっ飛ばせる機会なんてそうそうないから張り切ってしまったよ(笑)。それこそメーターの数字が117を表示するまでは目視できたけど、それから先は余裕がなくなって見れなくなった(笑)。数字の単位がkmなのか、km/hなのかはご想像におまかせするが、まぁ、スタイルに似合わぬたぐいまれな不整地走行性能にビックリである。小径17インチホイールにロードキャラクターメインのスポーツタイヤ(ピレリ・スコーピオントレールⅡ)を履くマシンなのに、オフロード走行性能がここまで高いとは…。ストロークも従来同様170㎜しかないし、タイヤにはデコボコもギザギザもないのだが…、いやはや最新の電子制御技術には本当に驚かされる。その介入具合も絶妙で、コントロールされている感がなく、本当に楽しくアクセルを開けていられる。並のオフロードバイクより、速く走れるんじゃないかと…なんて、ついつい書きすぎてしまうのは悪いクセだが、ここで書きすぎると本誌で書くネタがなくなっちまうからね。続きは8月24日発売の『タンデムスタイル』。もしくは9月6日発売の姉妹誌・『風まかせ』にて。

 

 

それはそうと、この漢字「弟子屈」なんと読む?
OK、もう覚えたようだね! デシクツじゃないぜ?

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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