250㏄クラスに最適化され軽量!レースでも採用されている“EKチェーン 520LMX”

人気のニーハンに合わせた専用設計品!

文・写真:吉田 朋

EKチェーンを展開する江沼チヱン製作所は1941年の創業以来、ローラーチェーン総合メーカーとして事業を展開している。バイク用チェーンにも力を入れ、1974年にバイク用シールチェーンを世界で初めて開発し、カワサキZ1に採用された。以来、カワサキにOEM供給し、多数のリプレイス品もリリースしてきた。その最新作が“520LMX”だ。

 

その特徴を紹介する前に、バイク用チェーンについて触れておきたい。チェーンはエンジンで発生するパワーをリヤタイヤに伝える。それが基本的な役目だ。Z1以来、同じチェーンがすべての車両に使われているといえば、そうではない。一見すると変わらないように見えるかもしれないが、チェーンも進化しているのだ。

 

たとえば耐久性。Z1に採用されたシールチェーンの前は、シールのないノンシールチェーンが主流だった。その耐久性を上げるためにシールを組み込んだ。その後もシールの研究は続き、さまざまなタイプが登場。EKチェーンのシールチェーンには現在SX・SX2・QX・QX2・NXの5種類が使い分けられている。またチェーンは金属の塊で、重量も相当な重さになってしまう。耐久性やフリクションロスを考慮に入れながら、チェーンを構成する各パーツに独自の工夫を注いできたのだ。チェーンサイズも現在では9種類あり、排気量に応じたサイズが採用。これも重量やフリクションを考慮しつつ、同じサイズでも複数のタイプが用意されているのだ。

EKチェーン 520LMXのシール部分のアップ
EKチェーン シール用のNXリング
耐久性を高めフリクションロスを減らすのに貢献するリング。520LMXには最新のNXリングが組み込まれているのだ。シールチェンーン登場時はOリングだったが、どんどん複雑な形状になっている

現行U4(400㏄以下の)モデルの多くは520サイズのチェーンが用いられている。EKチェーンの公道向けアイテムのラインナップの中で、これまで適合するのは520SRX2だけだった。サイズだけ考えると他にもあるが、それらは大排気量向けに作られたチェーン。同じサイズでも排気量に見合った耐久性を持たせるため、重さやフリクションロスが変わってくる。U4モデルに組み込むことは可能だが、価格が高くなる・重くなる・フリクションロスが増えるなど、デメリットが多く、採用する意味があまりない。

 

そこで520LMXである。このチェーンはU4モデルをメインに開発が進められた。520SRX2は650㏄までを想定しているため、U4モデルとのバランスが理想とはいえなかった。それに対して520LMXは350㏄までを想定。そのためより最適化を進めることができ、520SRX2よりも12%の軽量化を達成できのだ。なおEKチェーンのレース専用品を含めた520サイズ中、最軽量モデルにもなっている。耐久性やフリクションロスに関しては、最新のNXリングを投入することでカバー。しかも公道向けでありながら、JP250でも使用することも可能だという。

“それならお高いんでしょう?”と思う人もいるだろうが、なんと520SRX2よりも割安になっているのだ!次のチェーン交換時には、520LMXを選ぼう!!

製品情報
製品名
520LMX
カラー
スチール・シルバー・ゴールド
対応排気量
〜350㏄
概略重量
1.39kg/100L

CONTACT

問い合わせ先
江沼チヱン製作所
電話番号
052-221-8451
URL
http://www.enuma.co.jp/

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