本格的に乗り出す季節を前にやっておきたい最低限の整備&チェック

やっておきたい最低限の整備&チェック

すぐに乗りたいところをこらえて、まずは各部チェックからシーズンスタート

そろそろバイクを動かそうかと春を待ち遠しく思っていた人は少なくないだろう。しかし、ちょっと待って! まずは愛車のメンテナンスから取りかかってみてはいかがだろうか? とくに冬季1シーズンを乗らなかった人は必須だ。バイクはわずかな期間動かさないだけでも、動いていたときには予想もできなかったトラブルが発生することもある。

 

そして、ずっと乗っていたとしてもメンテナンスは同じく必須項目。バイクとは乗れば必ず消耗し、少しずつ壊れていくモノだからだ。その消耗や故障を抑えるためには日々のチェックとメンテナンスが必要になるし、限度を超えれば交換しなければならない。なので、どんな状況でもバイクにはメンテナンスが必要!

 

それに、キチンとメンテナンスされているバイクは乗っていてすごく気持ちがいい。その状態を極力取り戻すためにも、まずは動かさなかった人にはマスト、動かしていた人も注意したい点を以下で紹介する。

まずは洗車からスタートしよう

まずは愛車をキレイにすることからスタートしよう。それだけでも気持ちいいが、洗うついでにいろんなところを見て、不調がないかもチェックしたい。いつもより汚れている、冬まではなかったキズがある、など異変に気付く第一歩としても洗車を考えていただきたい。“洗車は整備の第一歩”といわれるゆえんは、じつは『洗うためにあちこちを見ること』が重要だからだ。

 

最重要チェックポイント① タイヤ

タイヤは空気を入れて使えるようにするモノだが、その空気ってじつは完全密閉されていないことを知っているかな? 内部の空気は自然と抜けていくのだ。1ヶ月程度でも体感できるレベルで抜けるので、最低でも毎月のチェックが必要だ。1シーズン(3ヶ月)放置すればハンドリングが明確に重くなるなど、あからさまに状態が変わってしまう。

 

その空気がキチンと入っているかを確認するのが空気圧チェックだが、この空気圧が車両メーカー指定の数値どおりになってこそ、タイヤは正常に機能する。多すぎても少なすぎてもダメ。こくわずかな誤差程度なら問題ないが、既定の数値を守るようにしよう。

 

ここで注意していただきたいのが『サーキットでは空気圧を下げる(抜く)』という話を真に受けないこと。これを転じて“速く走るなら空気を抜くといい”あるいは“速い人は空気圧が低い”と思っている人もいるのだが、公道だと意味がないし、タイヤメーカーも推奨していない。

サーキットだと指定空気圧から少し空気を抜いて走るのは事実。サーキットは非常に高い速度で周回するので、通常の空気圧だと圧力が高くなりすぎるのを避けるために抜いているのだ。走っているときは空気が熱や圧力で膨張して適正な数値になっているので、空気が減った状態そのままを維持して走っているわけではないことを知っておこう。

 

なお、空気圧が低いと接地感が増したように感じて安心感を得られることもある。しかし、これもタイヤが正常ではない変形をしている状態でもある。偏摩耗やヒビ割れを誘発することもあるので、タイヤの空気圧は車両に記載されている数値をくれぐれも厳守し、正しい状態を維持しよう。

最重要チェックポイント⓶ バッテリー

バイクの点火や灯火類を機能するため用いられているバッテリー。このバッテリーはつねに充電と放電を繰り返すことで性能が維持されている。つまりバッテリーも働いていてこそ健康状態を維持できているのであって、冬季だからと怠けていると、途端に健康を害する=性能低下を招いてしまうモノなのだ。

 

最近のバッテリーは開放型はほとんど存在しなくなり、ほぼMFバッテリーが使われるようになった。このMFとはメンテナンスフリーを意味し、開放型と異なり密閉されているのでバッテリー液を補充不要になっている。このメンテナンスフリーという文字を見て『何もしなくてもバッテリーはメンテナンスされている』と誤解する向きもあるが、以前の開放型と比べて定期的にバッテリー液を補充する必要がない、というだけ。バッテリーとしての性能が勝手に自己解決してくれているわけではないので注意しよう。

 

そのバッテリーだが、バイクに接続しているとつねに放電を続けるので、充電しないと性能が維持できず、いわゆる“バッテリーあがり”の状態になってしまう。またバッテリーは寒さに弱い特性があるので、1シーズンも充電されないと、古いバッテリーはとたんにグロッキーになってしまうのだ。

 

そこで冬季保管時にもよくある間違いの一つだが『バイクに乗らずエンジンを始動させておけば充電してくれる』という話がある。しかし、じつはアイドリング状態だとバッテリーへの充電はほとんどされない。エンジンの回転を相応に上げないとジェネレーターは十分に発電せず、結果として十分に充電されないのだ。週に一度、エンジンを始動させてアイドリング状態でしばらく放置すればバッテリーの状態が維持できる、と考えるのは早計だ。

 

そのため乗り始める際には、まずしっかりとフル充電させること。セルがかかったらOKではない。弱っているバッテリーはまず元気にしておかないと、次の停車時に困ることも…。

 

最重要チェックポイント③ チェーン

エンジンで生み出した回転運動をリヤタイヤに伝達するチェーンとスプロケットは、つねに強い摩擦と衝撃を受け続けている。だから潤滑用のチェーンルブが切れると、あっという間に摩耗が進む。路面に近いこともあってホコリや細かい砂といった汚れが付着しやすいのも特徴だが、この汚れも放置すると研磨剤としてチェーンを攻撃する材料になる。だから定期的に汚れを落とし、新しいチェーンルブを塗布し続けなければいけない。チェーンドライブのバイクに乗る以上はマストな作業だ。

 

チェーンルブの主成分は油でもあるが、油は揮発して油分が抜けていく。これも1シーズンも放置すれば油分が相当に抜け、十分な保護性能を期待できない状態になっている。『バイクを休む前に塗布したから大丈夫』ではないのだ。乗れば乗ったで走行距離500㎞程度でルブは飛散して十分な効果を得られなくなる。雨天時に走るとさらに性能は定価してしまうので、いずれにしても乗る前には古いチェーンルブを除去し、新しくすることをお忘れなく。

 

チェーンは何度キレイにしても、走れば必ず汚れていくパートなので清掃をメンドウクサイと感じている人も少なくないだろう。しかし、使えば汚れる衣服を洗わないという選択はないように、バイクも汚れればキレイにするのが愛情ある接し方というもの。それはある意味、仕方がないことなのだ。

 

なお、メンドクサイと感じる人が多いことから、バイクショップや上級者はチェーンの状態で、その人のバイクに対する愛情を推し量ることも多い。『基本となるチェーンとスプロケット清掃もキチンとしていないなら、あっちも酷いことになっているはずだ…』といった具合に、整備時の物差しになっている部分でもあるとか。『この人はじつはバイクのことをそこまで好きじゃないな』なんて思われたくないのなら、普段からのメンテナンスを怠りなく!

 

ここも忘れずチェックしよう!

ブレーキまわり

ブレーキは永久不変ではなく、放置すると汚れを媒体として固着することもあるし、ローターも汚れていればサビていくこともある。放置してから乗り出す前には、必ずひととおりチェックし、異変があるようなら無理せずショップに相談しよう。

サスペンション

しばらく乗っていないバイクのサスペンションにあるリヤショックのシャフトやフロントフォークのインナーに汚れが付着していると、いきなり乗るとキズ付き、オイル漏れを誘発することも。ここもまず清掃したい。

エンジンオイル

エンジンオイルは大気に触れると自然と酸化して性能が落ちる。真空ではないエンジン内部でも同じなので、乗り始める際にはまず交換がマスト。古いほど劣化は進行しやすいので、昨年秋までに交換していないなら走行距離に関わらず交換が推奨だ。

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