ちょっとクレイジーだけどやってみたい。バイクで雪の上を爆走!

雪が降っているのでバイクに乗れない…なんて諦めるのはまだ早い。もしあなたのバイクがオフロード車で、バイクを積めるトランポを持っていたなら、雪の上を走っちゃえ。寒さを忘れるほどの楽しさが、この未知なる世界では体験できる

小沢和之:文

調査と事前準備で雪上走行を楽しく実現

ウインターシーズンも超本番。寒さなら工夫しだいでなんとかしのげるが、降雪積雪、雪が降ったら大抵のライダーはバイクに乗ることをあきらめるだろう。ただ、バイク乗りなら一度はこの雪の中を思いっきり走ってみたいと思うのも正直なところ。いやいやそもそもノーマルタイヤで雪上走行できるのか?はたまたバイクにもスタッドレスタイヤがあるのか、なんて疑問も雪のように積もりだす。

 

雪の日、自宅のポストの中を確認してみてください。ハガキや封書、どこからかのお知らせなどの郵便物が届いているはず。そう、雪が降っても大事な郵便物は郵便屋さんが届けてくれているのです。そしてその大半があの赤いボディの郵便バイクが。雪の中でも前へ前へと果敢に突き進む郵便バイク、そのタイヤには地域差はあるが、スタッドレス、スパイク、チェーンが装着されている。郵政はプロ意識を持って安全かつ冷静に雪上走行をしているが、僕も私も興味本位での公道雪上走行はやめてほしい。ではせっかくの新雪、あの雪の上にシュプールのごとく、タイヤ痕を残せないものなのだろうか? 

 

全国で調べてみると、東北や北海道では雪上レースが行なわれている地区がある。有名なのは新潟県長岡市の“おぐに雪まつり・雪上エンデューロ大会”、毎年全国から多数のエントリーがあり、エンデューロ(耐久)のほか、スプリントレースにフリースタイルモトクロスライダーによる空中妙技が行なわれるなど、雪の上をライダーが思う存分楽しめるイベントとなっている。しかし、2020年(毎年2月開催)はなんと開催時期に積雪がまったくなく、レースどころか雪まつりそのものが中止という事態に陥った。そして今度は新型コロナウイルスでのイベント自粛。感染拡大を押さえなくてはならないので、2021年の大会についても現段階ではまだ開催についてのアナウンスは出ていない。しかし大会以外にもその敷地内の許可さえ得られれば雪上走行も夢ではない。

(2022年の時点では公式HPにて、運営体制の見通しが立たないため雪上エンデューロ大会の中止、及びイベント終了を発表している。)

 

敷地内、エリア管理者から許可をもらい、思う存分雪上ランを楽しむ。仲間たちでセクションを作って、雪上トライアルにも挑戦!

もしかしたら雪の積もったモトクロスコースや夏場エンデューロコースとして解放してくれている私有地など、自ら動いて遊べる場所を開拓するのも、バイク乗りのノリのよさでチャレンジしてみてはどうだろう。もちろん無断借用無断進入は絶対にやめてほしい。あと、雪だから転んでも大丈夫なんて考えも持たないこと。じつは雪の下には思わぬ障害物が隠れていることもあるので、元の地形などを把握している場所の方が安全に楽しく走れる。本気の新雪だとハマったら抜け出せなくなる可能性があるが、降ってから数日後、表面が少し凍った雪の上なら意外なほど気持ちのいい走行が可能なのだ。

 

この冬、新型コロナウイルスの状況をしっかり見すえ、ケガなく密なく雪上走行を楽しんでみてはどうだろう。じつはトライアルバイクで雪上ランをしたことあるけど、バイクが軽いせいか、新雪の上でも深くハマることなく楽しめました。雪の上に赤青マーカーを置いて、雪上トライアルいいかも。

 

 

【おまけ】
これが雪中ツーリング仕様のバイクだ!

こ積雪した路面を制限速度上限で走行することを想定すると、バイクにも独自の改造が必要となる。まずスパイクタイヤ。これは信頼のあるショップにて製作してもらうか、独自にピンを打ち込むなどによって万全を期することが必須。また、防寒対策として出発前にバッテリーを新品にしておくことも重要だ。さらに、カバー類やスクリーンを増設することにより、ライダーが直接寒風を受けない工夫も必要。冬季ツーリングは荷物の量が必然的に多くなるため、積載バランスの工夫や装備を小型・軽量化することも安全なライディングのポイントだろう。インジェクション車が大半になっている昨今ながら、キャブレター車ではさらなる寒気対策も必須。氷点下の旅は工夫と経験が必要なのだ。

※本記事はタンデムスタイルNo.224(2020年11月24日発売号)に掲載された内容を一部抜粋・再編したものです。

 

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