HONDA CRF1100Lアフリカツインシリーズ

連載新車体感 ニューモデルインプレッション

No.
213
連載新車体感 ニューモデルインプレッション

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※公開中の誌面内容はNo.213(2019年12月24日)発売当時のものになります

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眼下の景色を眺めるドライバーとホンダ CRF1100LアフリカツインアドベンチャースポーツES

21インチホイールでオフロード走行も可能なアドベンチャーツアラー・CRF1100Lアフリカツインシリーズがフルモデルチェンジ。価格はアドベンチャースポーツのDCTモデルで25万円ほどのアップだが、それに見合う進化を遂げていたのだ。

文:谷田貝洋暁/写真:関野 温

ダートも走れるアフリカツインがさらにパワーアップして登場!

無印はさらなる軽さ、ADSは旅性能を強化

現行アフリカツインは、16年に登場し、18年にスロットルバイワイヤを搭載したことでトラクションコントロールシステムを大幅進化。同時に24ℓの大型タンクを装備したアドベンチャースポーツ(以下:ADS)がタイプ追加された。そして20年モデルで、フルモデルチェンジ。前作とぱっと見の印象が同じなので、“ナニが変わっているの?”と思われるかもしれないが、実はフレームを完全刷新するような大改変および、装備追加が行なわれている。

 

改変されたところで特筆すべきは、やはり骨格、フレームのキャラ変更だろう。スチール製のダブルクレードルフレームという構造は変わっていないが、スチールのメインとアルミのリヤで分割したことでおよそ1・8㎏の軽量化。また、またぎ部分を内側に40㎜ほど追い込んだことで、かなり足つき性がよくなっている。フレーム刷新にあたってはしなり剛性にもかなりこだわったらしく、重量車としての剛性を持たせながら、しなり方を工夫することで軽快感のある乗り味に仕上げたという。車体全体では旧型比で約5㎏の軽量化をはたしている。

 

エンジンは、ユーロ5適合によるパワーダウンが懸念されたため、ストロークアップをすることで84㏄アップの1082㏄に排気量アップ。最高出力も95㎰から102㎰に引き上げられている。

 

また、改変ポイントとして重要なのは、無印と大容量タンクのADSのキャラクター分けも大きく差がつけられることになった。スタンダードは従来からのオフロード性能を重視したキャラクターで、軽量化により、さらにその性格が強まった。一方のADSは、旅性能に磨きをかけたかたちだ。5段階調整が可能なスクリーンにクルーズコントロール、グリップヒーター、チューブレスタイヤ化など、“長旅”するための装備が追加されている。なかでも最大のフィーチャーポイントは、ボッシュ製6軸IMUの搭載とともに、ADSにはショーワ製電子制御サスペンション搭載モデルのESがタイプ追加されたことだ。

 

この電子制御サスペンションとさらに緻密さを増したトラクションコントロールとABSの組み合わせはツーリングバイクとしてはもはや最強だと感じた。試乗会では一般道も走行可能だったこともあり、狭くタイトで、しかも路面は苔むし、その上に濡れた落ち葉が堆積する…、ツーリング中に出会うなかで最悪な路面を雨のなかで走行するなんて状況があったのだが…、滑らないのである。確かに、6種類ある走行モード(2つはユーザー設定)のなかで一番マイルドな出力でトラクションコントロール制御も強い“アーバン”を選んだこともあるが、慣れてくれば積極的にブレーキをかけてアクセルを開けられるほど。こんな状況では、とにかくマシンを路面に対しての垂直をたもち、アクセルコントロールに全神経を集中したくなる場面だが、この電子制御サスペンションを備えた新型ADSなら鼻歌まじり。電子制御を信用するほどにラフというか、普段どおりの操作ができるようになる。

 

舗装路のコーナーを走行するホンダ CRF1100LアフリカツインアドベンチャースポーツES

滑りやすい落ち葉の上を走るホンダ CRF1100LアフリカツインアドベンチャースポーツES
舗装路を走行するホンダ CRF1100LアフリカツインアドベンチャースポーツES

電子制御サスペンションは、ストローク量やスピード、車体の傾き具合などに合わせた減衰特性をリアルタイムで変更するのがその主な役割だが、正直ここまで悪条件下での走行でも接地感が出せるとはビックリである。

 

この電子制御サスペンションのES仕様は、本格的なオフロード走行でも非常に効果的だった。試乗会では、ブロックパターンの強いタイヤに履き替えてのコース試乗も可能だったのだが、最初に乗ったのが、ストロークが前後185/180㎜と短めのモデル。このストローク量では、ジャンプの着地で“ゴツン!”とストロークを使い切るんだろうな…、なんて思っていたのだがそんなことはなかったのである。電子制御サスペンションなしのスタンダードでも同じようにコース走行してみたのだが、やはりこちらはちょっとジャンプするとストロークを使い切る。ロングストローク仕様の〈S〉ならまったく問題ないのだが…。

 

それにIMUを備えたことで、トラクションコントロールなどの電子制御装備も大きく進化している。大きな進化ではないが、より緻密になりコントロール性が増している印象を受けるのだ。トラクションコントロールにせよ、ABSにせよ、DCTにせよ、電子制御がライダーの意思と合わず“邪魔だな”と思う機会がすごく減った。前作のDCTも“なかなかすごいね”と思わされたが、もはや今回のコース走行では“DCTの方が速い?”と思わされる。少なくとも、旧作のADSに乗る僕を、新作のADSのES仕様に乗る僕が追いかけたら、数周で周回遅れにする自信がある。それほどまでに新型は進化しているのだ。

 

CRF1100Lアフリカツインシリーズのスタイリング&スペック

CRF1100L AFRICA TWIN ADVENTURE SPORTS/ES/DCT/〈S〉
全長×全幅×全高
2,310×960×1,520~1,580㎜
軸間距離
1,560㎜
シート高
830㎜
車両重量
238〔240〕【248〔250〕】㎏
エンジン型式・排気量
水冷4ストローク OHC 4バルブ並列2気筒・1,082㎤
最高出力
75kW(102㎰)/7,500rpm
最大トルク
105N・m (10.7kgf・m)/6,250rpm
燃料タンク容量
24ℓ
燃費(WMTC)
21.3㎞/ℓ
タイヤサイズ
F=90/90-21・R=150/70-18
価格
180万4,000〔194万7,000〕【191万4,000〔205万7,000〕】円
カラーバリエーション
パールグレアホワイト・〔ダークネスブラックメタリック〕

※〔 〕内はADVENTURE SPORTS ES、【 】内はDUAL CLUTCH TRANSMISSION

CRF1100L AFRICA TWIN/DCT/〈S〉
全長×全幅×全高
2,310×960×1,355㎜
軸間距離
1,560㎜
シート高
830㎜
車両重量
226【236】㎏
エンジン型式・排気量
水冷4ストローク OHC 4バルブ並列2気筒・1,082㎤
最高出力
75kW(102㎰)/7,500rpm
最大トルク
105N・m(10.7kgf・m)/6,250rpm
燃料タンク容量
18ℓ
燃費(WMTC)
21.3㎞/ℓ
タイヤサイズ
F=90/90-21・R=150/70-18
価格
161万7,000【172万7,000】円
カラーバリエーション
グランプリレッド

※【 】内はDUAL CLUTCH TRANSMISSION

※ CRF1100L AFRICA TWIN ADVENTURE SPORTS ESシリーズ、CRF1100L AFRICA TWINシリーズの前後サスペンションのストロークを伸ばした〈S〉は、全長が20㎜、全高とシート高が40㎜、軸間距離が17㎜長くなります。〈S〉は、受注生産になり、受注期間は〜2020年5月31日(日)。発売は2020年4月17日(金)よりホンダドリームにて

次ページ:アフリカツインシリーズのディテールと開発陣インタビューを紹介!

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電話番号
0120-086819
URL
https://www.honda.co.jp/motor/

※記事の内容はNo.213(2019年12月24日)発売当時のものになります

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