YAMAHA NIKENとMT-09乗り比べ!下道・高速・ワインディング・ダート含めて片道300kmを走ってきた!

YAMAHAのNIKENと同系エンジンを搭載するMT-09を比較インプレッション

 

というワケでタイトルの通り、タンデムスタイル編集長のやたぐわぁ(画像右)とともに、ナイケンとMT-09を乗り換えつつ、片道300km(割合としては高速6割・下道1割・ワインディング3割etc.)のツーリングに出発。

それぞれの車両の詳細は以下の記事で!

YAMAHA ナイケン

 

YAMAHA MT-09

 

画像は9時18分 東京都港区にて。僕(ヒラオ)は機材を背負っているのでとくに疲れやすいが、ナイケンならそれもカバーしてくれるハズ

高速走行も快適にこなす

まずは首都高速から中央道に乗り、諏訪南ICを目指す。その距離、約200km。MT-09はまあ風を感じるためのネイキッドモデルなので、風防性能は置いておく。気になるのはスポーツツーリングという位置付けがなされたナイケンの風防性能だろう。

ナイケンの風防性能はかなり良好で大柄なフロントカウルも相まって、足元や胸から下に当たる風はほとんど皆無。その一方で、スクリーンがかなり短めに設定されていることからも分かるようにスポーツ感を損なわない程度にはヘルメットに風が当たるという絶妙な味付けだった。

 

エンジンもMT-09と比べるとかなりシットリと回る印象で、スロットル操作に対する素直なフィーリングや渋滞区間での低回転域の粘りなどはかなり好印象。スポーツ性能ばかりに目が行きがちなナイケンだが、ツアラーとしての素性の良さも◎。

一方で、その重量差ゆえに、合流の加速時などはMT-09の方がキビキビと動くことができたぞ。

下道は四輪感覚でラクチン

 

高速道路を降りてからはしばらく、のどかな観光道路を四輪に混ざって走る。そうしていると、自分がバイクに乗っているということを忘れそうになるほどイージーかつ快適なその乗り味に感動。こうした安心感や安定感が疲れにくさにつながってくるのだろうなと感じた。

 

途中で、MT-09に乗り換えるとフロントの不安定感や車体の反応のクイックさに驚くものの、15分も走ればコレはコレで楽しいなあ。バイクとはこういった不安定感をいかにバランスさせるかが大切なんだなーと初心に帰ってバイク本来の楽しさを感じるのも面白かった。

ワインディングでは無類の安心感

 

やはり、ナイケンがその本領を発揮するのはワインディング。もちろん、中高速のコーナーも気持ちよく走ることができるのだけど、MT-09との違いを大きく感じたのは路面状況の悪い道やセンターラインも無いような細いワインディング。

例えば、良くありがちなコーナー手前もしくは入り口辺りに橋の継ぎ目があって、進入時にも減速しづらく、継ぎ目でバイクは立ち気味になってしまい、アクセルを開けるにも開けられず中途半端に旋回。そういったシーンでもナイケンなら、何も気にせずにバンク。そしてアクセルを開けて旋回し、何かあれば減速、もしくはラインの変更がごく自然にできてしまうのだ。

 

コレは本当にカルチャーショックに近い驚きで、コーナリングの感覚は二輪というよりも四輪のソレに近いのではと感じるほど。足まわりのバタつきや前後に揺さぶられるような動き(ピッチング)が極端に少ないのだ。

 

一見すると、サイレンサーのガードのようにも見えてしまうパイプ(上の画像のステップ下辺りに取り付けられているパーツ)だが、実はコレ、スイングアームの取り付け部を補強するためのモノ。四輪でいうところのストラットタワーバー的な役割を果たしていて、リヤまわりの最後の味付けに活用されているんだとか

 

その秘密はフロント2輪に負けないしなやか&高剛性なリヤまわり。フレーム前半は鉄パイプ、後半(主にスイングアームが取り付けられるピボットまわり)にアルミ鋳造を用いたハイブリッドフレームを採用したうえで、さらにアルミ鋳造スイングアーム&パネル溶接を組み合わせることによって、強靭なフロントに負けない腰の強いリヤまわりを実現しているのだ。

結論。やっぱりナイケンは疲れにくい!

 

朝9時に東京を出発し、諏訪湖近くの宿に到着したのは18時過ぎ、途中撮影の都合やら何やらでいろいろと時間を消費しつつだったのだが、基本的にはほとんど休憩を取らず、走り通し。そのうえ、ムダに重い(結局、三脚は使わなかった…)撮影機材を背負いながら走り続けたのだが、本当に疲れが少ないのには驚いた。

それは上で感じたような高速道路やワインディングでのピッチングや足まわりのバタつきの少なさ、コーナーの先がわからずともどうにかできるという安心感から来るものだろう。

あらためて思うバイクとLMWの違い

 

ヤマハがトリシティをはじめとする3輪モデルをLMW(リーニング・マルチ・ホイール)という分かりにくい名前にしているのかが、正直ナイケンに乗るまでは実感として理解できていなかった。

二輪よりも安心感のある三輪バイク。それで済む話ではないかと思っていたが、MT-09とナイケンを乗り比べ様々なシチュエーションを300km走った後なら良く分かる。LMWとバイクとは根本的に違う乗り物なのだ。

リーニング・マルチ・ホイールとモーターサイクルとは似て非なるもの。その関係は人間とアンドロイドのようなもので、近いがゆえに違いが際立ち、決して交わることはない。

 

つまり、LMWの特性というか、目指している方向性がナイケンに乗るとハッキリ見えてくるのだ。単なるバイクの派生形ではない、まったく新しい乗り物をヤマハは創り出そうとしている。今回のナイケンのターゲット層は大型バイクでのツーリングに年間数回しか行かなくなったベテランライダーだという。

そんなライダーが、久々に味わうバイクのコーナリングフィールに臆することなく自分のペースで目の前のコーナーに飛び込んで行ける安心感と、バイクに乗り慣れていなくても片道300km位の週末ツーリングで仕事始めに疲れを残さない安定感の両立。それを目指して完成されたLMWがナイケンなのだ。

このコンセプトは大型バイクデビューを迎えるor迎えたばかりのビギナーにもオススメできる!仲間とのツーリングでちょっと無理をしている気がするというライダーや大型バイクに乗り換えたけどコーナリングが怖いというライダーは、ぜひナイケンを試乗してみてほしい。

 

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やたぐわぁのオフロード走行インプレ

YAMAHAのナイケンで林道レベルのフラットダートでインプレッション

 

トリシティでもLMWのダート特性は存分に検証させていただいたけれど、このナイケンも相当のモノ!トラクションコントロールシステムをオフにして、モードAでやや深ジャリの道を走行してみたけれど、やはりフロント2輪の安心感はここまで車格が大きくなっても実に有効。

しかもナイケンには、フラットトルクの3気筒エンジンを搭載。開けたら開けた分だけ、ズリズリ流して遊べる。閉じればスライドが止まるのでコントロールもしやすい。

 

YAMAHAのナイケン はダート路面でも前輪の安定感が際立つ
ダート路面でも前輪は安定感は際立つナイケン。スタンディングして、頭の位置を前に寄せればスライドも怖くない。トラクションコントロールを切ってもアクセルがガンガン開けられる

 

それに思った通り、フロントタイヤがずいぶん前にあるナイケンでダートを走るならスタンディングでフロント荷重気味にするのが吉。座ると頭の位置が後ろ過ぎて、格段にスライドのコントロールがしにくくなる。座らず車体を垂直に保つ努力さえしていれば、ブレーキングにせよ、アクセルワイドオープンにせよ、そうそうコケることはないハズです。

 

トラクションコントロールを切れば、ズリズリと面白いようにリヤタイヤが滑りだすYAMAHAのナイケン
もちろんブレーキングもお手の物。前の2輪がずるっといきにくい。それだけでイケイケでブレーキをかけられる。…直線に限るけど

ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2018年10月29日月曜日

 

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ヤマハ発動機カスタマーコミュニケーションセンター
電話番号
0120-090-819
URL
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc
ヒラオ

written by

ヒラオ

イイものはイイ、ダメなものはダメと素直に言いたいだけなのに、基本否定や悪口から入ると周囲から言われる1992年生まれ。バイクだけに限らず、乗り物なら基本的に何でも好きだけど、シンプルな乗り味で自分が操っている感を楽しめるものが好み。

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