最近は部材がよくなったとはいえ、折れるときは折れる
ライダーなら誰もが一度はやらかす立ちゴケ。最近は、部材がよくなったのかレバー類が折れることは少なくなったとはいえ、転倒した拍子にブレーキレバーやクラッチレバーがポッキリ…。スペアレバーを持っていればその場で交換すればいいんだけど、持ってないライダーがほとんどじゃないかな? そんなときにあると便利なものを紹介しよう。
ポッキリ折れたのはクラッチレバー。しかもかなり根元に近いところで折れてしまい、これではほぼ握り込めない…
そんなときはコレだ!
バイスプライヤー(とほかに必要なモノ)
握り込むことでワニクチが万力のようにロックするからバイスプライヤー。130mmぐらいの小さめのサイズならちょうどよく折れたレバーに固定でき、なんとか握れないこともないサイズ
作業手順
折れたレバーの端をバイスプライヤーに噛ませてロック。アゴが平坦ではなく凹曲しているモノを選ぶと固定も確実
スリーピークス技研の『トラスネジバイス130mm』は、アゴに縦溝が切られレバーの端をがっちり確保。しかも口幅調整ネジが5mmのヘックスレンチで増し締め可能でより強固に固定できる
念のため、タイラップで本体が外れないように固定して不意の落下を防止する
左右のレバーはもちろん、ダイレクト式のチェンジペダルが折れた場合の代用にもなる。1つ持っていて損のないアイテムだ
レバー交換の仕方
上では、バイスプライヤーによるレバー欠損の応急処置を紹介したが、スペアレバーを持っているならそもそも現場で交換してしまうのがてっとり早い。
スペアのレバーは新品を用意しても、ちょっと曲がったレバーをとっておいても、短くて握れないレバーよりはいい。シート下のデッドスペースなどに緩衝材を巻いてしのばせておこう
クラッチレバーの場合
クラッチワイヤーの遊び調整の作業にプラスして、1本ボルトを緩めるだけで交換が可能なクラッチレバー。事前に一度練習しておこう。
クラッチレバー交換で使用する工具は、マイナスドライバーと10㎜のソケットレンチ。国産車ならたいていこのセットでこと足りる
クラッチワイヤー取り付け部にかぶさっているラバーパーツを外し、ロックナットを緩める。ロックナットがきつい場合はプライヤーの出番だ
ロックナットをうまく回して調整することで、レバーからロックナットまでつながる切り欠きがうまく一直線になるように調節する
レバーの下側に10㎜のソケットを当て、上側のマイナスネジにドライバーを当てがい、とも回りを防止する
レバーホルダーにもネジが切ってあることが多いので、回すのはドライバー側が主体
回していくとロックナットがまず外れるのでナットの紛失に注意
レバーの固定ネジ兼軸ネジは完全に引き抜いてしまう
レバーの固定ネジにはグリスがついているので、砂や泥の上などに置かないように注意
レバーを手前に引くようにしてワイヤーごと外してしまう
レバーをひっくり返してみると、ワイヤーがタイコで固定されているのがわかる
切り欠きを合わせるとワイヤーのタイコが外れる
FINISH!
これでレバーの取り外しが完了。取り付け方は逆の手順。最後にクラッチレバーの遊びの調整を忘れないように
ブレーキレバーの場合
ワイヤーがないぶん、クラッチレバーよりも交換が簡単なブレーキレバーの交換。メンテナンスの練習として、一度外してみるのもいいだろう。
使用する工具は、クラッチレバーがマイナスドライバーを使用したのに対し、こちらは10㎜のソケットレンチと、10㎜のオープンレンチを使用
とも回り防止のオープンレンチは下側のナットに当てがい、ソケットツールを主体に回す
FINISH!
ブレーキレバーの支点兼固定ピンを1本外すだけでレバーが脱着できる。クラッチレバーのようなワイヤー脱着もない
機種によってはカラーやスプリングなどのパーツの移植が必要になるモデルもあるので注意しよう