YAMAHA FAZER8

カラー:ビビッドパープリッシュブルーカクテル5

攻撃的なスタイルが魅力

2010年夏に海外向けモデルとしてデビューをはたしたヤマハのブランニューマシン、それがフェーザー8だ。外観は国内モデルにもあるFZ1フェーザーを彷彿させるデザインで、国内へのデリバリーも開始された。
フェーザー8のアイデンティティは、ハーフカウルをまとったスタイリング。エッジを効かせたデザインは、まるでスーパースポーツのそれを思わせる。また、細部にわたってカットやスリットを取り入れるなど、デザインへのこだわりも強く感じるところだ。ルックス的なイメージはなかなか攻撃的なので、とっつきにくさを感じてしまう人もいるかもしれないが、実は包容力がある。“あらゆるシチュエーションに楽しめる万能マシン”を目指して開発された800ccの排気量も、パワフルな1,000ccと、ビッグバイクエントリーとして扱いやすさを追求した600ccの中間カテゴリーとして設定されているのだ。

DETAIL

エッジの利いたデザインに丸みを持たせた2眼ライト、キリッとした表情のスポーティなハーフカウルがルックス面でのフェーザー8の大きな特性となる。防風効果のあるウインドスクリーンも備え、ツアラー的要素も高い
タコメーターはシンプルなアナログタイプ。左のデジタル液晶は多機能メーターになっていて、速度表示のほか、水温、時計、燃料残量がゲージ表示される。ボタンでオド/トリップ1/トリップ2が切り替わる

市販車ではYZF-R1に初めて使われて以降、ヤマハのハイエンドモデルに搭載されることの多いモノブロックブレーキキャリパーがフェーザー8にも採用されている。こういったところもさりげなくオーナーの所有感をくすぐる
スーパースポーツモデル・YZF-R1をルーツとする並列4気筒エンジン。ピストンやシリンダーは専用設計され、799ccという排気量が設定された。6,000回転オーバーからサウンドとともに走りも豹変する

FZ1シリーズと同じスペックのボリューム感のあるアルミ製ダイヤモンドフレームを採用している。重量あたりの剛性値が高く、アルミをミリ単位で設計したことで、縦・横・ねじれ方向の剛性バランスの最適化を図っている
コンパクトな形状のサイレンサーは、排気効率にすぐれるのはもちろん、マスの集中化にも貢献している。4本のエキゾーストパイプの集合部分には三元触媒を装備し、欧州の排ガス規制ユーロ3をクリアする

RIDING POSITION & FOOT HOLD

●ライダー:身長178cm/体重78kg

アップライトなバーハンドルのおかげで上体は起き上がり気味でリラックスしたポジションとなる。燃料タンクが切れ込んでいる部分にちょうどヒザが当たるのでニーグリップしやすい。車体の大きさはリッターマシン並みで、ステップ位置やヒザまわりがきゅう屈に感じることはなかった


●ライダー:身長178cm/体重78kg
ライダー・タンデマー側のシートがくっきり分かれているためか、タンデマーとは干渉することなく一人で乗っているのとほぼ変わらない印象。これくらいの体重なら乗り降りのときにもバランスをくずすこともなかった
●タンデマー:身長151cm/体重43kg
タンデマーが座るシート部分が一段高くなっているためうっかりヘルメット同士がぶつかるようなこともなく、ゆったり座れる。ライダーの腰をしっかりヒザでホールドでき、グラブバーもほどよい位置でにぎりやすいので走行中の安心感は高そうだ


COLOR VARIATION

ブルーイッシュホワイトカクテル1
ブラックメタリックX

SPECIFICATIONS※[]のデータはABS

全長×全幅×全高
2,140×770×1,225mm
軸間距離
1,460mm
シート高
815mm
車両重量
215[220]kg
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列4気筒・779cm3
最高出力
78.1kW(106ps)/10,000rpm
最大トルク
82N・m(8.4kgf・m)/8,000rpm
タンク容量
17L
価格
95万5,500円[100万8,000円]

STAFF’S IMPRESSION

KJのインプレッション

スクリーンのおかげで巡航らくらく

上位機種FZ1シリーズとサイズが同じだけあってリッターマシンの迫力を感じる。しかし、またがってしまえばミドルクラスのような見晴らしのよさで、安心感も高い。スムーズな走り出し、軽いハンドリングで走るシーンを選ばないけど、スクリーンを持つフェーザー8は高速道路がなにより楽しい。巡航速度は高く安定しているし、防風性も高くて疲れにくい。ギヤを落として7,000回転前後の加速も気楽に試せる。とても包容力を感じさせてくれる1台だ。


ヤシロのインプレッション

意中のあなたはやっぱりジェントル♡

このスポーティなルックスが私の心を射止め、前々から乗ってみたい気持ちはあったものの、779ccという排気量&大きめの車格に対して勝手に回避能力が働いていた。でも期待と不安を抱きながら恐る恐る乗ってみると「あ、やっぱり好き♡」と思うほど本当に乗りやすかった。高速道路はとにかく快適。街中のストップ&ゴーも、ギヤがあっていない不快なギクシャク感もなく、どんなシーンでも乗り手を不安にさせない。とってもジェントルな相棒です♪


ヨツイのインプレッション

手軽にスポーツ走行を楽しめる駿馬

乗り始めたときは“スーパースポーツをツーリング向けにデチューンしたマシン”という印象もあったけど、ところがこれがとんでもない。アクセルを開ければ、7,000回転を超えた辺りから回転数に見合ったパワーを供給してくれる。それでいてマイルドな出力特性なので唐突感もなく、YZF-R1やFZ1よりもスポーツ走行を手軽に楽しめるのではないだろうか。現代スーパースポーツのリニアでシビアな面を調律することで“ちょうどよさ”をうまく演出していると思う。

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