エンジン形式/弁方式
エンジン形式はそのバイクのエンジンがどういうレイアウトをしているかを表したモノ。
詳しい話は省略するけれど、スペック表を見るときのポイントとしては、単気筒よりも2気筒が、2気筒よりも3気筒が、3気筒よりも4気筒が、よりエンジンのなめらかさが増し高速巡行が得意になると思ってヨシ。逆に単気筒や2気筒の方が、ゆっくりとしたスピードで振動を感じながら走ったり、軽量さや扱いやすさからオフロードを走ったりするのに向いている。
総排気量
そのバイクの排気量を数値化したモノ。普通二輪免許では400cc以下のバイクが、大型二輪免許では何ccのバイクでも運転ができる。
よく聞く、リッターバイクという言葉は排気量が1ℓ＝1,000cc以上のバイクのことを指している。ナナハンも排気量が750ccのバイクのことを指していて、昔はこの750ccが日本国内で買える最大排気量のバイクだったから、ナナハン＝すごく大きいバイクみたいなイメージが今でも残っているというワケなのだ。
内径×行程
内径はボア、行程はストロークともいわれ、エンジンの中にあるピストンの直径を内径（ボア）と呼び、そのピストンが上下に動く距離をストローク（行程）と呼ぶ。注目ポイントは、この内径（ボア）と行程（ストローク）の数値の大きさの比で、内径（ボア）の方が大きければ高回転で力強いエンジン特性に、行程（ストローク）の方が長ければ低回転で力強いエンジン特性になる。
ちなみに、車名に入っている数字と排気量は必ずしも＝とは限らないから注意してほしい。多くのバイクは車名の数字よりも、実際の排気量は少ないことの方が多い。だけど、中には車名の数字よりも排気量の大きいモデルもあるから、その辺りに注目してスペック表を見てみるのもオモシロいかも。
圧縮比
ガソリンと空気の混じった混合気をどのくらい圧縮するのかを表した数値のこと。
この数値が大きいエンジンほど圧縮比が高いと呼び、一般的にレスポンスが鋭くハイパワーなエンジンになる。
最高出力
いわゆる馬力（PS）と呼ばれるものを表した数値で、この数値が大きいほど速いバイクと言えるけれど、初心者であれば30PSもあれば十分に速いと感じられるハズ。
rpmと書かれているのは、バイクのタコメーターに表示されているのと同じ数値でエンジン回転数を表している。
最大トルク
エンジンの力強さを数値化したモノで、これも最高出力と同じようになるべく低い回転域で最大トルクを発揮している方が、エンジンを回さなくてもパワーが出てくる扱いやすい特性を持ったバイクだといえる。
燃料供給装置
ガソリンをどうやってエンジンに送り込んでいるのかを表していて、現在はフューエルインジェクションシステム（FI）とほとんどのバイクで書かれている。
イメージ的には電子制御されてガソリンを噴射する霧吹きノズルのような感じだ。
始動方式
エンジンをどうやってかけるかを説明している項目で十中八九、セルフ式と書かれている。
セルフ・スターティング・モーター式の略で、簡単に言うとセルボタンを押すとエンジンがかけられますよってこと。
逆にそれ以外の始動方法ってあるのって思うかもしれないけれど、ヤマハのSR400はキック式だし、原付スクーターなどはセル・キック併用式の場合もあるのだ。
点火方式
混合気に着火するための合図をどうやって送るのかを表している。
バイクの乗り味などに直接関わる部分ではないので、気にしなくてもOK。メーカーによって表記方法に違いはあるけれども、現在はフルトランジスタ式が一般的。
エンジンオイル容量
エンジンオイルの量を表した数値のこと。
これはあくまでも、エンジンに入っているオイルの総量なので、オイル交換時にこの量が必要というワケじゃないから注意。自分でオイル交換をしようと思ったときには取扱説明書などを確認しよう。
燃料タンク容量
燃料タンクに入るガソリンの量を数値化したもの。燃費とタンク容量がわかれば、だいたいの航続距離の見当もつけられるハズ。
20ℓ以上のタンク容量が確保されているものはロングツーリング向けモデルと考えて問題ないぞ。また、オフロードモデルの多くは軽量化を重視してタンク容量が少なめに設定されている。
潤滑方式
エンジンオイルをどうやって、エンジン全体に行き渡らせているのかを表した項目だけど、あまり注目しなくても問題ない。
基本的にはエンジンの一番下に溜まっているオイルをポンプで送り込むウェットサンプ式を採用していることが多い。一部のバイクではエンジンの外にオイルタンクを設けたドライサンプ式を採用していることも。
クラッチ形式
そのバイクがどういう仕組みのクラッチを採用しているのかを表している。
湿式多板コイルスプリングという形式がほとんどで、これはオイルに浸かって湿ったクラッチ板が何枚かあってそれをバネの力でくっついたり離れたりさせてますよってこと。スクーターなどでは自動遠心式クラッチを、BMWの一部のモデルなどでは乾式単板クラッチを採用していることも。
変速機（トランスミッション）形式
いわゆるミッションの形式を表している項目のこと。
常時噛合式6段リターンなどと書かれている場合が多い。〇段という部分で、6速ミッションなのか、5速ミッションなのかかがわかる。スクーターなどはCVTと呼ばれる無段階変速機を採用していることがほとんどだ。
変速比
いわゆるギヤ比と呼ばれるモノ。自転車のギヤを思い出すと分かりやすいけれど、小さいギヤでは速度は出ないけれど軽い踏み込みで大きな力が、大きいギヤでは速度は出るけれど坂道などでは力不足を感じてツラかったのでは？バイクのギヤもそんなイメージ。
この値が1に近付けば近付くほど、エンジンの回転数とタイヤの回転数がシンクロしているということになる。高速巡行性を意識したモデルでは、6速や5速で1を下回るオーバードライブと呼ばれるギヤ設定を採用し、巡行時のエンジンの回転数を抑えている場合もある。
減速比（1次/2次）
エンジンの回転（力）をリヤタイヤに伝える前に調整（減速）する歯車の組み合わせを比率で表した項目。
1次はトランスミッションの前で、2次はトランスミッションの後（フロント＆リヤスプロケット）でそれぞれ回転数を調整している。
