HONDA スーパーカブC125

連載新車体感 ニューモデルインプレッション

No.
196
連載新車体感 ニューモデルインプレッション

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※公開中の誌面内容はNo.196(2018年7月24日)発売当時のものになります

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このとき試乗インプレッションしたのは、生産試作車のスーパーカブC125

 

昨年の世界累計生産台数1億台、そして今年の生誕60周年と、なにかと世の中を賑わせているスーパーカブシリーズに、ニューコンセプトのスーパーカブC125が9月14日から発売開始。なんともプレミアムなカブに仕上がっていた

文:谷田貝洋暁/写真:武田大祐

2人乗りできるのは、日本仕様だけのオリジナル

スーパーカブC125のスタイリング

 

ビジネスバイクじゃない、遊ぶためのスーパーカブC125

なんだかすごいカブが出てきたもんだ。スマートキーとパンクに強いチューブレス化を可能とするキャストホイールをスーパーカブとして初採用。しかもよくよく見ればこのホイール、一度塗装をしてから部材を切削して金属地を見せるという実に手間のかかった加工がほどこされている。それだけじゃない。鉄ではなくステンレスマフラー。クランクケースやチェーンカバーの梨地仕上げなどなど。挙げていけばキリがないが、“ゴージャス”と“スーパーカブ”という、決して相入れないキーワードがミクスチャーされている。

 

それもそのはず、このスーパーカブC125、先に発売されたモンキー125同様、タイをはじめとするアジア市場では、完全に趣味領域の高級車として位置付けられている。なんでも、タンデム仕様なのは日本国内向けだけで、海外ではリヤキャリアもオプション扱いだとか。ここまでくると税込39万9600円という価格も安く見えてくるから不思議。まぁ、タイ生産だからこの価格ともいえないこともないが、ここまでスペシャルな装備でこの価格に収まっているのはホンダの企業努力としか言いようがない。

 

ちなみにこのC125。生産試作車という注釈付きではあるが試乗もできた。走り出して感じたのは、現行の110系よりも排気量が大きくなった125㏄エンジンの余裕だ。あくまで生産試作車のため、細かなフィーリングなどに触れるつもりはないが、それでもやはり発進時などで加速の力強さは十分に感じる。とくにコーナリングの出口などでアクセルを開け直すような場面では、現行のスーパーカブでは感じられない、“グッ”というパンチを感じる。110系の穏やかな加速フィーリングとは一味違う、スーパーカブに仕上がっていることは確かだ。

 

「とくにこだわったのは60㎞/hあたりでの巡航走行フィーリングです」とは開発陣の談。この速度域での快適性や走りやすさのためにフレームは110をベースにネック部分とエンジンハンガー部の剛性を強化している。

 

僕自身、110系(JA10)のオーナーでもあるのだが、やはり幹線道路を60㎞/hで巡航するような場合には、“ちょっとフレームが心もとないな”なんてことを考えることがあるだけにこれはちょっと楽しみな部分。残念ながら今回の試乗は60㎞/h巡航できるような環境ではなかったが、車体、エンジンともにその速度域でも具合がよさそうなことは十分感じ取れた。

 

やっぱり初採用のスマートキーもかなり便利。もちろんキーを取り出す必要がないというスマートキー本来の使い勝手はもちろんなのだが、スマートキーを使用したシートロックも搭載されたのだ。つまり給油時にいちいちフューエルキャップにカギを差す必要がなくなった。おまけにシートロックが可能になったことで、ヘルメットホルダーやサイドカバーのワンタッチオープン機能など、新機能が盛りだくさん。

 

それにディスク化されたブレーキの制動フィーリングも新感覚だ。従来のワイヤー駆動のドラム式ブレーキにはないカッチリ感がなんだか上品。

 

ただすごいと思うのは、ここまでカブらしからぬ装備がおごられていながら、走ってみればきちんとカブらしさが残っていること。このモデルをモーターサイクルショーで見たときにはなんだかデカイな…、これがカブなの?なんて思ってみたりもしたのだが、乗ってみれば、やっぱりカブなのである。プレスリリースの言葉を借りれば、“重量物を車体中心付近にほぼ縦一列に集中配列したことによる高い運動性能”なんていう、味気ない言葉になってしまうけど、手のひらに収まる扱いやすさというか、なんというか…。ちゃんとカブらしさがそこにあるのだ。“走りを楽しむ”という新しいコンセプトが盛り込まれたスーパーカブC125。コレはコレでアリ。一人のカブオーナーとしての率直な感想である。

 

SUPERCUB C125でコーナリングの試乗インプレッション

 

次ページではスーパーカブC125のディテール&足つきを紹介!

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※記事の内容はNo.196(2018年7月24日)発売当時のものになります

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