HONDA ADV150

2020年3月23日

ADV150 HONDA スクーター単気筒エンジン普通二輪免許

連載新車体感ニューモデルインプレッション

No.
215

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※公開中の誌面内容はNo.215（2020年2月22日）発売当時のものになります

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“冒険心”に火をつけてくれるクロスオーバー・スクーター

軽二輪スクータークラスに注目のモデルがデビューした！今までにはないアドベンチャー・テイストを備えたADV150である。東京モーターショー2019で発表されて以来その動向が注視されていたが、いよいよ日本デビューが決まった。PCX150がベースとなっているが、乗り味はまったくの別もの。その理由とは？

写真：関野温／文：横田和彦

ADV150のスタイリング

新たなスクーターライフを提案する意欲作！

道なき道を切り開いていくアドベンチャー・テイストに満ちた軽二輪スクーター、ADV150が登場した。開発コンセプトは“限界を超えていく都会の冒険者”だ。見るからにワクワクするスタイルに心を奪われる。

シティコミューターとして人気を誇るPCX150をベースにしているという発表だが、走り出した瞬間から“全然違うじゃん！”と驚いた。そもそもポジションからして異なる。足を投げ出すようなリラックスした姿勢になるPCX150に対し、腕を曲げると上からハンドルを抑え、車体を積極的に操るようなフォームになる。

エンジン特性も変わっている。アクセルを開けるとダイレクトに反応し、力強く加速。とくに低～中回転域での変化が顕著だ。そのままアクセルを開けていると高回転までスムーズに伸びていく。これなら一般道はもちろんバイパスなどでの走りも期待できる。

そして最大の違いはサスペンションだ。フロントの剛性感が高まっているので、舗装路でハードブレーキングしても車体がブレにくい。そして前後とも大幅にストロークが増えているので、凹凸が多い道でも不安なく走れる。アドベンチャースタイルにふさわしい走破性能だ。本当にPCX150ベースなのか疑問に感じるほど走りが違う。すると開発者から意外な言葉が。

「PCX150のフレームや高性能エンジンを元に開発が始まったことは間違いありません。しかし共通なのはフレームの基本形状やエンジンカバーなど一部で、ほとんどが専用設計です」

なんと、聞けば開発過程で“シティアドベンチャーにふさわしいスタイルや性能”を追求した結果、専用パーツだらけになったのだという。それで納得。ADV150には開発スタッフの熱い想いが込められているのだ。

せっかくだからとダートにも入ってみた。滑りやすい路面では車体を保持するのが重要なのだが、ADV150は車体のセンターが盛り上がっているので、くるぶしでしっかりホールドできる。スタンディングでハンドルを抑え込むように操るのも容易だ。凸凹の路面からの衝撃もサスペンションが吸収してくれ、専用設計された太いタイヤが路面にパワーを伝えてくれる。ABSはフロントだけなので、その気になればブレーキターンもバッチリ決まる。林道をガンガン攻めるような使い方をするモデルじゃないので、ここまで走れれば合格だろう。