【スズキSV-7GX 徹底チェック・前編】旅も、街乗りも、スポーツもこれ1台! 注目のVツインクロスオーバーの実力に迫る!!

スズキの名機水冷Vツイン645㏄エンジンが復活し、新たにSV-7GXが登場! SV650ゆずりのエンジンに快適性と実用性をプラスした注目のクロスオーバーだ。その走りはどんなものなのか? 実際に試乗し、乗り味から足つき性、ライディングポジションまでじっくりチェックした。

スポーツの楽しさと旅の快適さを一台に凝縮

SV-7GX

2025年11月、イタリア・ミラノで開催された世界最大級のモーターサイクルショー『EICMA2025』。ここで初めて公開されたのが、スズキの新型モデル『SV-7GX』だ。

 

このバイクが属するのは『クロスオーバー』と呼ばれるカテゴリー。スポーツバイクの軽快な走りと、ツーリングバイクの快適さを組み合わせた、いわば一台で何役もこなせるバイクだ。普段は街中を気軽に走り、休日には少し遠くまでツーリング。カーブが連続するワインディングロードでは、スポーティな走りも楽しめる。そんな幅広い使い方ができることから、世界中で人気が高まっている。

 

SV-7GXの『SV』という名前は、SV650から受け継いだもの。GXはスズキが心臓部のエンジンには、25年以上の長きにわたって熟成を重ね、高い評価を得てきた645㏄の水冷Vツインを採用している。さらに、SV650のスリムな車体がもたらす軽快な走りに加え、同じ645㏄水冷Vツインエンジンを搭載するVストローム650が得意としてきた楽な乗車姿勢やツーリング性能も取り入れた。一体どんな走りを楽しめるのか。試乗前から期待が高まる。

初心者にもやさしく、ベテランも楽しめる充実の装備

試乗した感想を伝える前に、まずは旧SV650からどのような変更を受けているのか? GXならではの特徴について触れていきたいと思う。実車を前にして、まず目に入ったのがスタイルだ。シャープなヘッドライトまわりからタンク、サイドカウルへとつながるデザインは、上位モデルのGSX-S1000GXにも通じる、力強く洗練された雰囲気がある。従来のネイキッド然とした旧SV650とは印象がだいぶ異なるし、高速走行時のウインドプロテクション効果も高そうだ。

SV-7GXのエンジンは、SV650から受け継いだ645㏄の水冷Vツインと先にも述べた。ただし、その中身は最新技術によって大きく進化している。注目のポイントのひとつが『電子スロットル』の採用だ。これまでのようにアクセル操作と機械的に連動してエンジンへ送り込むガソリンと空気を混ぜた混合気の量を調整するのではなく、コンピューターがアクセルの操作量や走行状況を判断して、細かくコントロールする仕組みになった。合わせて吸気系や排気系も見直され、最新の排出ガス規制『ユーロ5+』にも対応。

 

最高出力は73ps(8,500rpm)、最大トルクは64N・m(6,800rpm)。最高出力はエンジンが発揮できるパワーの大きさ、最大トルクは加速するときの力強さを表す数値だ。従来のSV650と比べて数値上の変化は大きくないが、重要なのは数字だけではない。普段よく使う回転域で扱いやすく、アクセルを開ければ力強く加速する。そんな、実際に走って楽しいエンジンを目指したという。

そして、ライディングを楽しく、快適にする電子制御システムが導入されたことも見逃せないポイントだ。まずは、走り方に合わせてエンジンの反応を選べる『スズキドライブモードセレクター(SDMS)』。三つのモードが用意されている。Aモードはアクセルに対する反応が鋭く、スポーティな走りを楽しめる。Bモードはパワーの出方が自然で、街乗りからツーリングまで幅広く使いやすい。Cモードはアクセル操作に対する出力の反応が穏やかで、雨の日や疲れたときなどに使いやすい。さらに、後輪の空転を抑える『トラクションコントロール』も装備された。滑りやすい路面などでタイヤが必要以上に空転するのを抑えてくれる、心強い機能だ。効き具合の調整やオフにすることも可能。

もうひとつ注目なのが『双方向クイックシフトシステム』だ。通常、ギヤチェンジにはクラッチレバーの操作が必要だが、この機能を使えば走行中のシフトアップとシフトダウンを、クラッチレバーやアクセルを操作せずに行なえる。シフトダウン時にはエンジンの回転数も自動で合わせてくれるため、スムーズな変速が可能だ。これに合わせてトランスミッションのギヤを見直している。さらにはボタンひと押しでエンジンを始動しやすくする『スズキイージースタートシステム』や、低速走行時にエンジン回転数を補助する『ローRPMアシスト』も採用された。とくに発進や低速走行に不安を感じやすいビギナーにとって、うれしい装備だ。

SV-7GX

車体には、SV650で実績のあるスチール製トレリスフレームを採用。スチールパイプを組み合わせた骨格をベースに、フロントにはオーソドックスな正立フォーク、リヤにはリンク式のモノショックを組み合わせ、ホイールサイズは前後ともに17インチとなる。

乗車姿勢はクロスオーバーモデルらしく快適さを追求。ハンドルは旧SV650と比べ高め&手前に配置され、上体を起こした自然な姿勢で乗れるのが特徴。前方が見やすく、長時間の走行でも疲れにくい設計だ。シート高は旧SV650よりも10㎜高めたという。

装備面も充実している。見やすい4.2インチのカラー液晶メーターをはじめ、スマートフォン連携機能、USB Type-C電源、荷物を積むのに便利なリヤキャリアなどを標準装備。燃料タンクも旧SV650の14Lから17Lへと拡大。カタログの燃費(WMTC値)の24.6㎞/Lで計算すると、満タンでの航続距離は約418㎞。実際の距離は走り方や道路状況によって変わるだろうが、ツアラーとして考えても頼もしい数字だ。

走る楽しさと毎日の使いやすさ。その両方をしっかり考えて作られていることが、SV-7GXの大きな魅力なのである。

SV-7GX 試乗インプレッション

乗れば納得、曲がれば笑顔! 気軽に走れて、どこまでも行きたくなる一台

SV-7GX

今回の試乗会が行なわれたのは、富士山の麓に広がる富士吉田周辺。カーブが連続するワインディングロードや、舗装の荒れた道など、さまざまな道路を走れるエリアだ。車両が並べらた場所から車両を押して、カメラマンが待機す場所まで移動。211㎏と中型クラスのバイクよりも重いが、リッタークラスと比べると軽い。大型車になるが、取りまわしで苦労することもない。車体にまたがり、サイドスタンドを払い、車体を起こすことも楽。足つきがいいことも、それをアシストしてくれている。

 

セルボタンをワンプッシュするとエンジンが目を覚ます。発車場所はやや登り気味だったので、わざとアクセルを開けず、クラッチレバーの操作だけでは発進を試みる。するとエンストすることなく前に動き出す。ローRPMアシストの効果だ。ただ低回転域からしっかりとトルクが出ているので、ローRPMアシストの助けがなくても気負うことなく発進できる。

 

ワインディング区間に行くまでの街中で、わざと低回転でシフトアップしていく。4速3,000rpmでもギクシャクすることなく、交通の流れに乗っていける。そしてワインディング区間に入り。レッドゾーン手前まで回すと気持ちよく加速していく。リッタースーパースポーツのような鋭さはないが、身構えることなくアクセルを開けていける。400㏄スポーツバイクと比べると、パワーとトルクがあるので余裕をもって走りを楽しめる。筆者は決して速く走れるライダーではなく、平均的な技術を持つライダーではあるが、エンジンの潜在能力を引き出せている感があった。

SV-7GX

車体もそれに見合って作り込まれているので、不安なく走っていられる。昨今、中型クラスでも倒立フロントフォークを採用するマシンが増えているが、SV-7GXの正立フロントフォークに不満を感じることはない。ブレーキも制動力・コントロール性ともに十分なので、ワインディングで軽快かつハイペースでコーナーを駆け抜けていける。

 

新たに導入された双方向クイックシフトシステムが、スポーティな走りをアシストしてくれる。もちろんスポーツ走行時だけでなく、街乗りや高層道路を走行する際、クラッチレバーを握る回数が減るので、疲労軽減に結びつくので重宝するシステムであることは間違いない。また、スズキドライブモードセレクター(SDMS)の各モードも差は明確で、ワインディングでは鋭い加速を見せてくれるAモードで、街乗りではパワーの出方がマイルドなBモードがピッタリ。Cモードは一瞬試したが、こちらは雨の中の走行や、長距離走って疲れ“ゆるく”走りたいときに向いているだろう。なお、トラクションコントロールは今回の試乗中に機能する場面はなかった。

 

ちなみに今回の試乗では時間の関係上、高速道路に乗ることはなかったが、エンジンの潜在能力を鑑みれば不満なく走れるだろう。また、ウインドプロテクション効果の高さは街乗りとワインディングだけでも十分だと感じられた。というのも、ジャケットは夏用メッシュを着用。試乗会場周辺では、やや肌寒さを感じたが、カウルとナックルガードが冷たい走行風をカットしてくれ、快適に走れたからだ。

SV-7GX
エンジンのパワー&トルク、サスペンションの働き、ブレーキ性能。それぞれが絶妙に調和していて、特別に意識しなくても気持ちよく走ることができる。上体を起こした乗車姿勢は、前方の視界が広いので周囲の状況も確認しやすい。ハンドルも操作しやすい位置にあるため、街中のゆっくりした走行でも、カーブが続く道でもリラックスして運転できた。SV650が得意としていたスポーティな走りと、Vストローム650が持つツーリングでの快適さ。SV-7GXは、それぞれの強みをバランスよく取り入れたバイクだ。街中では気軽に走れ、休日には遠くまでタ旅に行きたくなる。そして、ワインディングに出会えば、ヘルメットの中でニヤリと笑う。とにかく気軽に走り回れるバイクだった。

POSITION & FOOTHOLD(ライダー:身長172㎝・体重68㎏)

SV-7GX

旧SV650からハンドル位置をライダー側へ近づけ、ハンドル幅と着座位置を見直している。それでいながらヒジは張らずに上体が起きる絶妙な設定で、リラックスした姿勢をとることができた。シート高は旧SV650よりも10㎜上がっているが、足つきに不安はまったく感じない。Vツインエンジンとトレリスフレームのスリムさで足を下ろしやすくなっていることも、足つき性のよさに貢献している。

SV-7GX

カラーバリエーション

SPEC.●全長×全幅×全高:2,160×910×1,295(㎜)●軸間距離:1,445㎜●シート高:795㎜●車両重量:211㎏●エンジン種類・排気量:水冷4ストロークDOHC4バルブV型2気筒・645㎤●最高出力:54kW(73ps)/8,500rpm●最大トルク:64N・m(6.5kgf・m)/6,800rpm●燃料タンク容量:17L●燃費(WMTC):24.6㎞/L●タイヤサイズ:F=120/70ZR17・R=160/60ZR17●価格:113万3,000円(ブリリアンホワイト)・117万7,000円

CONTACT

問い合わせ先
スズキお客様相談室
電話番号
0120-402-253
URL
https://www.suzuki.co.jp

 

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