ウワサ話

2年に一度の自動車/オートバイの祭典、モーターショーまであと2ヶ月。この時期になると、僕らバイク雑誌の編集部員たちはなんだかソワソワしはじめる。なんでかって? このショーに向けてメーカーは新車、コンセプトモデル、新しい技術や機構といった“目玉”を作り上げるからだ。

もちろん、そんな情報はショーが始まるまで秘密だったり、その直前に発表されるワケだけど、バイク作りはたくさんの人が関わる仕事ですからねぇ、やっぱりそれらしい情報がもれてきたりするワケで、なんとなく信憑性のある話を耳にしてしまうと何だかドキドキしてしまうワケですよ。

そういった情報は(本当ならね)、今後の誌面作りにも大きく関わってくるし、編集部員、いやひとりのバイク好きとして単純に早く知りたいという欲もある。というワケでこの時期、編集部員たちは新しいバイクの情報の糸口を探し出そうとメーカー取材は当たり前だが、ショップ取材やライターさんとの交流でも耳ダンボ。どんな小さな情報にも想像力を働かせるってワケだ。

たとえば(あ、もちろんこの会話文にもなんの裏付けもありませんよ〜!)「ホンダから新型のオフロードバイクが出るっぽい」なんてウワサを小耳にはさめば、
「するとエンジンはCBR250Rのエンジンかねぇ? それとも新開発? 新開発はさすがにねぇか?」
「いやいや、低燃費エンジンを発表したばかりだし、その線も?」
「だったら、ここで一発。DOHCのハイパワー型だろ? ヤマハのWRと真っ向闘えるようなやつ! エントリーモデルはXR230があるし、ぶつけるならそっちだろ!」
「でもそうすると値段がねぇ。若年層へ向けて、ミドルクラスのコンセプトは低価格方向に振るなんて話もあったばかりだしなぁ」
「そういや、ホンダの伊東社長はXR250バハが大好きで乗っているらしいからね。鶴のひと声で“バハ仕様”なんてのもアリ? …さすがにそんなことはないか(笑)」

…なんて感じの雑談が幾度となく繰り返される。もちろんこれはあくまで根も葉もない噂レベルだし、すべては勝手な妄想と尾ひれ、胸びれの塊なのだが、そんな時間はバイク乗りにとって、単純に楽しいものだ。

というワケで、誌面にできるできないは別として、いろいろと楽しい話題にこと欠かないこの時期の編集部。今年はあまりいいニュースを聞かなかったしね、好きなバイクの分野だけでも賑々しくいきたいものだ。さぁ、モーターショーまであと2ヶ月。楽しむぞ〜!

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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