まさに気分はドラッグレーサー!?ハーレーダビッドソンの2019年新型FXDR114に乗ってきた!

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2018年10月22日

「最軽量で最高のパフォーマンス」

2019年モデルのハーレーダビッドソン・ソフテイルシリーズのラインナップに加わったFXDR114。公式サイトをのぞくと、こう銘打たれていた。

今回新たに登場したFXDR114は現行のソフテイルシリーズ10台の中で最もスポーツ性能が追求されたモデルだ。ロー＆ロングなスタイリングにセパレートタイプのクリップオンハンドル、しっかりとしたシートストッパー付きのシングルシートとくれば、新型ソフテイルシリーズの中でもスポーツ性能にこだわっているファットボブよりも、さらに上をいくスポーツモデルであることが見て取れる。

FXDR114の走りに期待を膨らませつつ、まずはツーリングモデルのロードグライドスペシャルをしばらく乗ってみた。

久々の（というかヒラオはほとんどハーレーに乗ったことがない…）ハーレーダビッドソン。手足を前方に投げ出すポジションやその重量に戸惑いながらも快適なクルージング性能と思いのほか素直なコーナリング性能に感心しつつ、コレはコレで味わいがあって良いなあなどと思っていた。

FXDR114の独特なライポジは慣れるにつれマシンを曲げる楽しさが見えてくる

次のパーキングで車両を入れ替え、いよいよ本命のFXDR114に乗ってみる。すると車体を起こした時点でその軽さにちょっと感激。エンジンのボリュームはエアダクトがはみ出している分、ロードグライドスペシャルよりもむしろ増しているのに、車両重量はロードグライドより91kgも軽くなっていて、これだけでずいぶんとリラックスして乗ることができた。

そして、シフトを１速に入れて発進。303kgの車体に1,868ccのミルウォーキーエイト114エンジンを搭載しているFXDR114は軽快に走り出した、のだが、シフトアップをしようにもシフトペダルが見当たらない。思いのほかシフトペダル位置が上部にあって、わざわざ目視で確認してからシフトチェンジをしたほど。

コッチはブレーキ側だけどステップが思ったよりも前方、かつ上部にあるので慣れるまで少し時間がかかった

それだけ、現行モデルの中では異質なライディングポジションなワケだけど、これが慣れてくるとオモシロい。エンジン自体はロードグライドスペシャルなどと同様だが、専用のECUセッティングが施されていて、さらにトルク感が強まっている印象。アクセルを開ければドコからでも力強い加速が楽しめる。

1,868ccのエンジンが発揮する160N・ｍ（16.3kgf・m）という大トルクをたかだか70kg程度の人間を運ぶためだけに使うという贅沢感に酔いしれ、意味もなく加減速を繰り返してしまいたくなる。

もちろん、加速性能に見合うだけの足まわりが与えられていて、インナーチューブ径φ43mmの倒立フロントフォークに、ダブルディスク＆対向4ポットキャリパーを採用。フロントブレーキを積極的に使ったコーナリングを楽しめる仕上がりとなっていた。

普通のスポーツモデルと比較すると、真逆とも取れるライディングポジションが、飛行機でいうところの前進翼的な効果を生み出しているのかなんなのか、コーナリング感覚も独特だけどスポーツ性能は悪くないという不思議さ。タイヤサイズはフロント120/70-19・リヤ240/40-18を採用しているということもあって、国産の前後17インチホイールを採用するスポーツモデルと比較すると、決して素直なハンドリングとは言えない。

目線を向けてイン側に体重を少し預ければキレイにバイクが曲がっていくというよりも、自分で積極的に車体を操作して前後のタイヤを曲がらせようとするというイメージ。最初はやっぱりその独特なハンドリングに少し面食らうのだけど、慣れてくると自分でバイクを曲げている感が出てきて楽しくなってくるのだ。

なんて調子に乗り始めてくると、妙に位置が高く感じたステップや車体に沿うようなデザインのトライオーバル形状のサイレンサーがバンク角を稼ぐためのモノだったのだということに気づいた。もちろん、そこまで攻め込む必要はないし、そんな技量もないけれど、スポーツ走行を楽しめるハーレーといったらコイツで決まりだなと個人的に感じたしだい。

で、その感覚は正しくて、ソフテイルシリーズではなく、昔ながらのハーレーらしさが色濃く残るスポーツスターシリーズのアイアン1200などに乗ってFXDR114を追走すると、1,202ccのエンジンなのにトルクがもっと欲しくなったり、もっと気持ちよくコーナーを走りたいと思ってきてしまった。

ただ、FXDR114はパッセンジャーと旅を楽しむバイクというよりは、自分一人でライディングを楽しむためのモデル。ハーレーらしさを味わいつつスポーティな走りも楽しみたいという人にはぜひ、オススメの一台といえるだろう。

なお、オプションのタンデムステップ＆シートを装着すれば、タンデムも楽しむことができるので安心を。今回は試せていないが、FXDR114の大トルクであれば、タンデム走行も軽々とこなしてくれるハズだ。

やっぱり、ハーレーを語るうえでスタイリングは欠かせない。個人的にはこのFXDR114は斜め後ろからのアングルが一番絵になるように感じたけど、どうだろう？

高速走行時の快適性も悪くない

もちろん、ツーリングモデルには劣るけれど、高速走行時の巡行性能も悪くない。3,500rpmで120N・mの最大トルクを発揮するミルウォーキーエイト114エンジンは低回転域ではしっかりとハーレーならではのドコドコ感が演出されているけれど、高回転域まで回すと振動が消えスムーズで快適な巡行性能を提供してくれるのだ（これはハーレーの最新エンジン全般に言えることでもある）。そんなエンジン特性のおかげで、高速走行も快適にこなせた。