HARLEY-DAVIDSON FXDR 114

連載新車体感 ニューモデルインプレッション

No.
200
連載新車体感 ニューモデルインプレッション

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※公開中の誌面内容はNo.200(2018年11月24日)発売当時のものになります

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ハーレーダビッドソンFXDR 114を試乗インプレッション
FXDR 114でテールをズリズリすべらしながら千里浜を走行

 

2017年、大規模なフレーム刷新を行ない“ニューソフテイルシリーズ”を立ち上げたハーレーダビッドソン。続々とニューフレーム使ったモデルを登場させているが、FXDR114は、国内10機種目となる新ソフテイル。ハーレーダビッドソンジャパンによる国内での公道試乗会が行なわれ、能登半島でこの新型を走らせてきた。

文:谷田貝洋暁/写真:ハーレーダビッドソンジャパン・編集部

極太240タイヤを履くドラッグレーサースタイルで登場!

FXDR 114のスタイリング

 

スタイリングに見合わぬスポーツ性能を発揮

夕暮れの浜辺に佇むハーレーダビッドソンFXDR 114

 

見るからにスポーティなマシンである。新型ソフテイルシリーズはすべて試乗済みだが、その中でも、ファットボブか、このFXDRかというくらいスポーツ性が高そうだ。そんなキャラクターがパーツチョイスから見て取れる。

 

まずフロントまわりのダブルディスクと倒立フォーク。新型ソフテイルシリーズは、ダブルディスクとシングルディスクのモデルが存在するが、このコンポーネントを採用するのは、現在のところファットボブとFXDRだけだ。

 

またがってみるとその見解が間違いでないことに確信を得る。「おや?」と思うくらいステップが高い位置にあった。リーンアングルの限界角度を調べてみれば、右32.6度で左32.8度。ファットボブが右31度で左32度であることを考えると、ほぼ同等かそれ以上のコーナリング性能が与えられている。

 

ただ車体をみていて気になることがある。そのハンドルポジション、キャスター角、太めなタイヤなどの構成が妙に同じソフテイルシリーズのブレイクアウトに酷似しているように思えてならないのだ。確かにブレイクアウトに試乗した際、カスタムライクなスタイリングとは裏腹に、妙に楽しいコーナリング感覚があることに驚いたものだ。ただそれだけに、調子にのるとすぐガリガリとステップを擦り始める少ないバンク角が惜しいと思った。またコーナーの突っ込みでちょっと強めのブレーキをかけると、正立フロントフォークとシングルディスクも心もとなく感じることもあった。

 

どちらかというとブレイクアウトはカスタムテイストを強めたマシン。そこまでスポーツ性を求めるのは酷というもの。ただコーナリングが楽しかっただけに惜しいと思ってしまったのだ。

 

それがどうだろう。そんなブレイクアウトで感じたスポーツ性への不適合箇所が見事なほどに払拭されているではないか? 「ブレイクアウトってそういうつもりで作ったんじゃないけど、乗ってみたら意外にスポーツ性が高いよね? こっちの方向で個性伸ばしてみるか?」。そんな会話がハーレーダビッドソンのなかであったかどうかは知る由もないが(たぶんなかったろう)、新作のFXDR114とはそんなイメージの一台である。

 

ハーレーダビッドソンFXDR 114をワインディングでインプレッション。ステップ擦りながらコーナリング
バンク角はニューソフテイルシリーズにしては深い

 

さて走り出してみると、思ったとおりの印象でニンマリ。ブレイクアウトで感じたあの楽しいコーナリング感覚がしっかりと増強されている。

 

ファットなリヤタイヤを、車体の重さとエンジントルクにモノをいわせて路面にこれでもかと押し付けてグイグイ曲がっていく。これがなんともマシンを操っている感覚があって楽しい。セパレート化されたハンドルも、マシンコントロール時にしっかりと荷重をかけられる剛性が与えられている。

 

ブレイクアウトで感じたフロントフォークの心許なさに関しても、今回はいっさい感じなかった。タイトなコーナーの奥で強めのブレーキングを行なっても、サスがきっちりタイヤを路面に押し付け、ググッと路面をつかむ感覚があるから安心してフロントブレーキレバーを握り込んでいける。

 

専用セッティングでパワフルかつ扱いやすくなった

むしろ扱いやすくなったエンジンのパワーデリバリー

トルクが増強されたエンジンのフィーリングも、他の114系エンジンと比べて明らかにパワーアップしているのを感じる。ドラッグスタイルにふさわしい加速感というか、「ゴパッ!」という太めのオノマトペを付けたくなるようなフィーリングである。

 

このパワーアップの秘密は、まずECUにある。このFXDR114には、他の114ソフテイルシリーズとことなるインジェクションマップが作成されているとのことだ。このほか、新形状のドラッグレーサースタイルのエアインテークやサイレンサーなども相まって従来比で5Nm高められた最大トルクは160N・mを、500回転ほど回転数を高めた3,500回転で発生させている。

 

ハーレーダビッドソンのFXDR114でダート路面をスライドしながらインプレッション
FXDR114は専用のECUに吸排気系をそなえており、他のソフテイルシリーズよりもパンチのある走りが楽しめる

 

驚いたのは、パワフルな一方で、きちんと扱いやすさも考慮されていること。今回の試乗では、1.5車線ほどの実に日本的なナローワインディングにも持ち込んでみたのだが、1,868㏄とは思えない扱いやすさを感じる。

 

例えば、高低差のあるヘアピンカーブの下り。コーナー脱出時のアクセルワークには細心の注意をはらうものだ。ここでツキの悪いエンジンだったり、ドンツキ感のあるエンジンだと、さらにアクセルが開けにくく感じる。ハーレーダビッドソンのモデルにあまりこの手のコーナーで得意なモデルの記憶がないのだが…。このFXDR114は、こんなナーバスな場面でもスッとスムーズにアクセルが開けられる。気持ちよくコーナーを抜けていけるのである。

 

パワフルかつスムージー。ハーレーの新型ソフテイルがまた進化した。

 

 

ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2018年10月20日土曜日

 

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※記事の内容はNo.200(2018年11月24日)発売当時のものになります

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