リヤブレーキを使わないとき、つま先を持ち上げたり外側に向けたりしていたら要調整!
ライディング中でリヤブレーキを使わないとき、つま先の靴底部分はどうしているか思い出してほしい。足でブレーキペダルを押してしまいそうでつま先を意識的に持ち上げたり、外側に向けたりしていないだろうか? これはペダルの高さが合っていないことが原因で、足首に負担をかけるばかりかフォームまでくずしかねない。もっとひどくなると、自分はただペダルに足を乗せて いるだけのつもりでもつねにブレーキをかけている状態になってしまう。こんなことにならないように、調整方法をしっかりと覚えておこう。
使用する工具
ロックナット・アジャスターともにオープンレンチを使用。車種によってはレンチを2本用意した方が作業しやすい場合もある。本記事の例として取りあげたMT-25では12㎜を使用
ペダルの高さの目安
ペダルを踏んでいないときに“負担がかからず”それでいながら“ペダルを踏み込みやすい”足首の角度は、約90度。足首の柔らかさには個人差があるので、まずはおよそ直角になるように位置を決め、そこから微調整していくといい
これは足首の角度が鋭角になっている状態。脚の長い人がシートの低いバイクに乗ったときによく見られる姿勢で、ペダルの踏み込みはしやすいけれど、それ以外では足首に窮屈さを感じるポジションだろう
ペダルが高いと足首が窮屈になることはなんとなく想像できるけれど、低すぎる場合も注意が必要だ。足首はラクになるもののペダル操作性が著しく低下する傾向があるので、調整後は必ずペダルを最後まで踏み込んで動作確認を行なうこと
1. ココで調整
ペダルの根元部分をたどっていくと、写真のようにナットが2つ重なっているところが見付かるハズだ。下側がロックナット、上側がアジャスターだ
2. ロックナットを緩める
まずはロックナットにアクセス。MT‐25の場合はレンチ1本で緩めることができたけれど、きつく締まっている場合はアジャスターにもレンチをかませた方がよさそうだ
3. アジャスターを回して調整
ロックナットさえ緩めてしまえば、アジャスターは手でかんたんに回すことができる。ここを回すとペダルの高さが上下するのでよく見ておこう
スイッチの確認も忘れずに
遊びを大きめに変更すると、ブレーキを効かせてもランプが点灯しなかったり、反対にブレーキに触れていなくても点灯しっぱなしになることも。写真のように片手でブレーキランプの光を確認しつつ、もう片方の手でリヤブレーキを押さえて確認しよう
ランプの点灯タイミングがズレている場合は調整する。やり方はブレーキランプスイッチを指で押さえつつ、下側のアジャスターを回すだけでOK。その後、ブレーキランプの確認作業を行なって再確認しよう
ドラムブレーキは遊び調整が可能
ドラムブレーキの場合は、遊び調整用のアジャスターが備わっている。カムレバーを押しながらアジャスターを締めこむと遊びが小さく、緩めると大きくなる
※工具の扱いや調整に自信がない方は、バイクショップなどに相談することをおすすめします。
リヤブレーキだって重要なのだ
フロントに対して補助的な制動装置だと思われがちだけれど、ブレーキング時の姿勢変化を抑えたり、マシンの挙動を安定させたりと、実はけっこう重要な役割を担っているリヤブレーキ。そのため、ココを自分に合ったポジションに調整することは、足首の負担軽減だけでなく、微細なペダルコントロールなどワンランク上の操作が可能にもなる。ぜひフロントと同様にベストポジションを見付けて、コントロール性をアップさせよう。