YAMAHA NMAX155

YAMAHA NMAX155(2023年モデル)走行イメージ

現在の軽二輪クラスのスクーター市場で一大勢力となっているのが150㏄前後の中間排気量モデル。このクラスは日本のみならず世界各国で活躍している。使い勝手のいいサイズ感のミドルスクーターの実力をレポートするぞ!

文:横田和彦/写真:関野 温

125㏄サイズに250㏄なみのパワフルさ

YAMAHA NMAX155のスタイリング

キビキビと街を駆ける高機動なスクーター

YAMAHA NMAX155(2023年モデル)

 

ヤマハがリリースするスクーターの中で、近未来的なフォルムとスポーティな走りを両立しているのがMAXシリーズだ。実用一辺倒なスクーターとは異なり“積極的に走る”ことを重視したモデルは“オートマチックスポーツ”というジャンルを確立させた。

 

そのMAXシリーズの末っ子であるNMAX125が日本にデビューしたのが2016年のこと。クラスを超えた車体の剛性感や軽快なフットワークに感心したのだが、翌年に共通の車体を使った兄貴分のNMAX155が登場。そう、上位モデルと共通の車体だったため高い剛性感があったのだ。

 

そしてNMAX155は2022年にフルモデルチェンジを敢行。車体デザインは一新され、LEDヘッドライトを採用しより質感が高いスタイルになった。シリンダーヘッドなどを見直した新型のブルーコアエンジンは、最新の排出ガス規制に適合させつつアイドリングストップの導入などで燃費を向上。フレームも新設計し軽量キャストホイールを採用するなど、変更点は多岐にわたる。先代のNMAX155の車体剛性感やスポーティなハンドリングには好感を持っていたので、モデルチェンジでどう進化したのか興味津々で試乗をスタートした。

 

125㏄クラスと同レベルの車体にまたがると凝縮感が伝わってくる。スリムで軽量、軽二輪とは思えないサイズ感だ。セルボタンを押すと瞬時にエンジンが始動。アクセルの開閉に忠実に対応し軽く吹け上がる。微振動も最小限で、低回転域からスムーズなパワーフィーリングで軽量な車体を押し出していく。中間加速もスムーズでストレスなく交通の流れに乗れ、ペースを合せて巡航可能。前が開けたときにアクセルを大きく開けると鋭くダッシュしていく。エンジンのフィーリングや扱いやすさは、先代よりもさらに洗練されていると感じた。

 

市街地を走っていて感じるのはハンドリングの素直さとバンク時の安定感が高いこと。それらは高いフレーム剛性に由来すると考えられる。中心にビシッと一本筋が通ったような感覚の高剛性なメインフレームを軸にして、作動性がいい前後サスペンションが確実に仕事をしている。そんな印象を受けるのだ。そのため大きめのギャップを通過しても振られにくく、コーナリング中の挙動も安定。軽快なフットワークには新たに採用されたスポーツバイクのようなデザインの軽量アルミホイールの効果も大きいと感じる。さすがスポーツスクーター・MAXシリーズの血統を受け継ぐモデルだと感心。そしてそのスタビリティの高さは高速道路でも体感できる。安定したクルージング性能は“ちょっと遠くまでいってみようかな”とツーリングに行くことを考えてしまうくらいだ。

 

時代の最先端をいく装備として注目されるのは、アプリ“ヤマハ モーターサイクル コネクト”によってスマートフォンと連携できること。それによって電話やメッセージの着信をメーターパネルで確認できるほか、走行履歴や最終停車位置の記録、メンテナンス時期のアラート表示、燃費の管理など数多くのことができるようになる。普段使いするスクーターだからこそ、必要な情報が手のひらに収まることはとてもありがたい。今後、さらなる発展も期待できるシステムだ。

 

さらに質感が高まった仕上がりと走行性能は、日常の交通手段としてはもちろん、休日のツーリングなどレジャーの相棒としても活躍してくれるに違いない。充実したスクーターライフを送ることができる存在である。

IMPRESSION by 淺倉

質感の高さ・走り・見た目・装備もMAX!

走らせて感じるのは、車体全体から感じられる‟しっかり感ˮ。直進安定性にせよ、エンジンの力強さにせよ、カチッとしたコーナリングにせよ、おしなべて上質で‟しっかりˮしているのだ。このクラスは、実用車としての側面が強く、コストをかけたマシン作りは難しい。どこかコストダウンを感じる部分があるものだ。その点NMAX155は、ライバルの一枚上手の質感を持っている。贅沢をいえば、サスペンションが少しやわらかくてもよかったのかも。ただし、そのぶんタンデム時の安定感が高いのでよしとしよう。エッジの利いたデザインは、見てMAX。剛性感の高い乗り味で、走りがMAX。スマートフォン接続機能も搭載し、装備もMAX。それゆえNMAX155は、立派にMAXの血族に連なる1台なのである!

次ページ:YAMAHA NMAX155のディテールを紹介!

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問い合わせ先
ヤマハ発動機カスタマーコミュニケーションセンター
電話番号
0120-090-819
URL
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/

※記事の内容はNo.251(2023年2月24日)発売当時のものになります

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