久しぶりに友達がやっているラテンバーに顔を出した。“大人の男だったら自分の行きつけのバーの一つくらいは持っているべきだ”と何かで読んだ覚えがあるが、どうやら少し毛色は違うけどボクにとっては、ここがそのバーなのかもしれない。ご存じない人のために少しばかり補足すると、ラテンバーは普通のバーと違って、飲むことより踊ることを目的として来る人が多い。どちらかというとバーというよりクラブで、踊るスペースが設けられているのが特徴だ。そんななかで、ただひたすら飲んでいるわけだから、少し浮いた存在ではある。とはいえその状況を打破すべく、ボクも何度かラテン系のダンス(サルサとかメレンゲとか。わかる人は曲を聴いただけで、どのダンスを踊ればいいかわかるとのこと)を習得しようと試みた。ただ、どうも習いごとが苦手で、「お嬢さん、ボクと踊りませんか」となるには至っていない。そうラテンバーのすばらしいところは、踊ることを通して一気に友達の輪を広げられるとところ。基本ペアで踊るダンスなので「なかなか出会いの場がなくて…」と嘆いているシングルの方には、個人的にはオススメしたい場である。
話がダンスに傾きすぎたけど、今回はドリンクのお話。普通のバーに行くとスコッチを頼むのだが、ここではビールで通すか、ラテンの雰囲気に合わせてラムに移行するのがパターン。ちなみにちょっとだけこり性なボクは、スコッチに関しては少し勉強して自分なりのこだわりがある。ところが、ラムは何となく場に合わせて飲んでいたので、恥ずかしながらこの日まで醸造酒だと思っていたくらい。ところが今回、ラムに話がおよび、いろいろと教えてもらっているうちに、かなり興味がわいてきた。さらに閉店後に連れて行ってもらったバーにはラムだけで300種類が置いてあり、当然ながらものによっては味がまったく違ったのだ。ここまであると、お気に入りの1本に行き着くまで、かなりの長旅になりそうである。そして、その長旅を存分に楽しもうとこの日決めたのである。