安くて早い”道志みちツー”!

 締め切り明けの休日。それは編集部員にとって、それがあるから頑張れる! といっても過言ではないほど待ち望んでいるものだと思う。もちろんボクも楽しみで、疲れた肩や背中を、黒い敷き布団と黒い掛け布団に包ませ、ゆっくりと癒すひとときを夢見てがんばっている。

 

 そんなわけで先日の休日も、”春眠暁を覚えず”を体現したボク。ただ問題なのはベッドから出たあと。いつも”何しよっかな~”状態で、時間を持て余してしまう。正確に言えばしたいことはいろいろあるけれど、何をするにもお金がかかるこのご時世。”買い物に行こうかな…。でも欲しいものは高価だし…””話題のグルメスポットに行こうか…? いや、運賃もかかるし、やめとこう””親戚の家までツーリング…も、高速代とか大変そうだなぁ”なんて感じで堂々巡り。

こんなときイトウくんならキャンプに何の迷いもなしに行くし、サブローだって新しい愛車のXRで喜々として走り回るんだろう。そういうのがあるっていいなぁ…休みの日も悩んでるボクって一体…。

 

 このままではイカン! 何かないか何か…と探して、目につくのはバイク。やはりバイク雑誌編集者として、少しは乗らないとマズいよなぁ…。というわけで、神奈川は相模湖付近から山梨の山中湖へと抜ける、峠道『道志みち』へと向かった。なぜ道志を選んだか。それは単に有名なワインディングロードだから、という理由だけではない。暇人であるボクがとっさに考えた、綿密な理由がいくつかあるのだ。

まず、時間。実は走ろうと決意したのは午後3時。夜中に走るのは気が引けるので、すぐ帰って来れる場所である必要があった。ボクの自宅は相模原市で、山中湖へは行って帰って来るのに2時間あれば十分な距離だったのだ。

さらにお金。ケチなボクだから、あまりお金は使いたくない。となれば、有料道路は使えない。峠を流してくる程度だったら、せいぜいかかるお金は燃料代の1,000円ぐらいで済む。これは安い。

最後に、走りを楽しめる道であること。ボクはカメラの趣味などもないので、あまり絶景を求めて出かけたりはしない。バイクのアクセルやクラッチワーク、切り返し、バンクを積極的に行えるワインディングは、ただ走っているだけでもエキサイティングな道なのだ。もちろん道志みちに絶景がないわけではないが、ボクはバイクを止まらせることはなかった。

 

こじつけで完璧に計算された短距離ツーリング。結果は上々だった。直線路と違ってカーブが連続するので適度な緊張感があり、車体を寝かせ込んだときは”結構傾けられたな~”なんてニヤニヤする。思い通りのライン取りができたときの喜びやできなかったときの未熟さを味わいつつ、気付けば山中湖へ到着。しかし、すぐにとんぼ帰り。時間的にも金銭的にも、ご飯を食べる余裕などない! 興奮を冷まさぬまま、再び峠道へ。ワインディングを舐めるように、贅沢に味わっていれば、あっという間に市街地へ出て、自宅へ。予定通り2時間ちょっと。給油しても、1,000円でおつりが帰って来た。

早くて安くて楽しい。すばらしきかな、近場ツーリング。実はボク、日を空けてもう1往復してしまった。みなさんも暇で暇で仕方ないときがあれば、ぜひ”近場で走りが楽しい道”を探してみてはどうでしょう。”眠いからヤダ”なんて言わず、せっかくバイクがあるんだから。体を動かしたあとに、ぐっすりと寝た方が気持ちがよくないでしょうか?

キムロウ

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キムロウ

バイク歴3年。愛車はトライアンフ・ロケットⅢ ロードスター。 トラスフレームを見たらとりあえず「バンディット!」とか言っとく、バイクの技術・知識ともにテキトーなテキトー人間。“修行”と聞くと不思議とやる気が出てくるジャンルに属しており、現在編集部にてバイク修行中。暇があると隣駅まで散歩したり、道着を着てバイクに乗ったりして、ほっとくとテキトーな場所で寝たりテキトーに刀を振り回し始める23歳。ネクタイと、JUJUと中島みゆき、あと“黒”が好き。べつに心は黒くない。

コメント 2件

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    by TDM900赤2017/6/21 13:22

    初めまして、じゃがりこからこちらへ誘導されました、
    道志道イイですよね、僕も川崎から朝練で2回ほど今年になっていきました、途中都留へ登って行く道の往復も 外せないですよね、

    タンデムスタイル結構面白いので購読してますよ、

  • by キムロウ2017/7/10 15:00

    購読ありがとうございます!
    川崎からも足を運ばれる方がいるということは、やはりそれほど良い道ってこどですよね!
    あらためて自分の住処が恵まれていることに感謝します笑

    キムロウ

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