はじめてのバイク二人乗り(タンデム) ステップアップ編

過去の『準備編』『乗車・降車編』『走行編』の内容はタンデムするうえで基礎的な部分。さらにここではタンデマーにかかるストレスを減らしスムーズに走るためのテクニックたちを紹介する。ライダーとタンデマーが一緒になって快適なタンデムライフを満喫してほしい!

シフトチェンジはやさしく

ライダーが感じにくいタンデマーの負荷で代表的ともいえるのがシフトチェンジ時に起こりやすい前後の挙動だ。加速/減速時に発生するシフトチェンジの”ガクン”という衝撃はライダーは操作側なので構えていられるが、タンデマーには不意の動きになって緊張するし、疲れを誘発させやすい。これを防ぐにはエンジンの回転数を抑えた状態でクラッチを切ってシフトチェンジ。アクセルはアソビをなくした状態から手首を下げるイメージで、やさしくアクセルを開けながらクラッチをつないでいくのだ。いきなりは難しいかもしれないが、タンデマーをビックリさせないことを意識すればできるようになるはず。これができれば一気に快適性が増すぞ!

リヤブレーキを活用しよう!

前後の挙動はブレーキをかけるときにもみられる。フロントは制動力が強いので大きく速度を落とすときに使用するが、フロントフォークが沈んでノーズダイブという前かがみの状態になる。ライダーはハンドルで踏ん張れるがタンデマーはライダーの体がないと止まれない。そしてタンデマーがライダーに覆いかぶさってくるとライダーの安定性を失いかねない。そこで活用したいのがリヤブレーキで車体を沈める働き。速度を落とすためフロントを使いながらリヤを併用すると、車体の挙動が抑えられるのだ。

 

コーナリング中、タンデマーはリーンウィズを心がけよう

リーンウィズのタンデム走行
リーンウィズ

走行編でタンデマー(後ろに乗る人)は“荷物”になるイメージといったけど、コーナー中も基本的に重心がズレないようにすること。バイクはハンドルを大きく切るというよりは体重移動で車体を倒して曲がって走るもの。地面が近くなるのでタンデマーは怖さを感じるかもしれないけど、体を外に向けたり、逆にさらに内側に倒して曲がりやすくしてあげようとする行為は危険。急な挙動でライダーの操作に悪影響をおよぼしてしまうこともあるぞ。

NGサインを出すプロインストラクター

プロインストラクターが教える良くないコーナリング

リーンイン

リーンインのタンデム走行
「ライダーは自分で思い描いたラインをイメージして走ります。内側に体重をかけられるとバイクは操作した以上に倒れてしまうため、ライダーのイメージよりさらに内側に向いてしまい危険です」
リーンアウト

リーンアウトのタンデム走行
「タンデマーが外側に体重をかけるとバイクはライダーがイメージしたラインより外に向いていきます。オーバーしないようにもっとバイクを倒そうとするので、タンデマーはさらに怖いかもしれません」

取りまわしの際、タンデマーはライダーをサポートしてあげよう

バイクを取りまわしする場面では、一人で行なうより二人がかりでする方が当然ラクチンだ。ただ、バイクの動かし方がわからないと傾けたいのに起こされてしまうなど、取りまわしの負担になるなんてことも。タンデマーが慣れないうちは、周囲の安全確認などをお願いしよう。

一度はタンデムを経験してタンデマーの気持ちを考えられるライダーになろう

タンデムでドヤ顔

ずっとソロで走っていると、乱暴な言い方だけど独りよがりな運転になってしまいがち。ライダーが思っているイメージと、実際にタンデマーが感じているものとは実は大きな差があるのだ。なので、できることならライダーも一度は誰かの後ろに乗ってタンデム経験をしてみることをオススメする。タンデマーの気持ちを実体験すると自分のタンデムも上手くなるはず。

そして、普段から後ろに人を乗せているイメージを持って運転していれば上達も速い。とくに後ろに乗せる人が自分にとって大切な人と思えばなおさらだろう。その積み重ねが実際にストレスのないタンデムにつながっていく。タンデムマスターの道のりは一日にして成らずだ。

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