SUZUKI V-STROM250

巻頭特集そうさっ今こそアドベンチャー!
注目アドベンチャー徹底試乗

No.
184
巻頭特集そうさっ今こそアドベンチャー!注目アドベンチャー徹底試乗

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※公開中の誌面内容はNo.184(2017年7月24日)発売当時のものになります

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250ccクラス最強の積載番長がやってきた!

みなさん知ってのとおり(?)、このVストローム250の車体ベースは、ロードスポーツモデルのGSRシリーズであり、エンジンはフルカウルモデルのGSX250Rと一緒。そんなバリバリのオンロードマシンをベースにアドベンチャーマシンが作れるのかって? それが意外なほどアドベンしてるんですよコイツはっ!

文:谷田貝洋暁/写真:武田大祐

スタイリング

 

すでに絶賛発売中! 価格は57万240円

数年前の段階でここまでミドルクラスのアドベンチャーツアラーが人気になると誰が予想できただろうか? 日本国内では、ホンダのNC700X(現在のNC750X)の登場を皮切りに、リッタークラス、400㏄クラスと順調に選択肢が増え、今年に入って250㏄クラスにはホンダ・CRF250ラリーに続いて、カワサキ・ヴェルシスX250が登場。そして今回のスズキ・Vストローム250が追うカタチになっている。しかもBMWからも、どうやらG310RがベースのGSシリーズも登場するみたいだから、世界を巻き込んだアドベンチャーツアラーブームはまだまだ続きそうな予感である。

 

ただ、ここまで各社がモデルを乱発すると、アドベンチャーツアラーというカテゴリーがだんだんとぼやけてきている感がある。本家のBMWのGSシリーズを規範とするならば、「世界一周を標榜し、すべての道を走ることができるツアラー」ということになる。

 

だが現在は、「高い高速巡航走行」、「ある程度のオフロード性能」、「長めの航続距離」、「長旅でも余裕の積載性」といった、タフな旅に耐えるための条件を総合的に満たしたマシンがアドベンチャーツアラーと思っていい。

 

そこへ行くと今回紹介するV‐ストローム250はちょっと特殊。というのもこのモデルのベースはロードモデルのGSR250シリーズ。この車体にフルカウルモデルのGSX250Rのエンジンを搭載。タフな外観にGSR250Sのアップライトなポジションといった要素が組み込まれている。

 

数年前、GSRシリーズに最初に乗ったときにとにかく驚いたのがその車体の安定感で、高速道路を走ればビシッと直進安定性が出る。キャンプ道具を満載にしても走りやすい車体。個人的には、現行250㏄クラス最強のツアラーマシンだと思った。

 

そんなGSR250で感じた高速巡航性能と、街中での扱いやすさが消えてないといいな…。そんな期待と不安を胸にインプレッションを開始したのだが、そんな杞憂は一瞬で霧散した。

 

街乗りでの扱いやすさは、正直GSRシリーズのそれよりアップしているように感じる。まぁ、最新モデルだしエンジン特性やスプロケットの設定も変わっているから、しごく当然のことなのかもしれないが、GSR比で5㎏もの重量増になっているにも関わらず、走りになんだか軽さがある。言い換えればGSRシリーズ特有の“大柄なバイクに乗っている感”がなくなった。車体がコンパクトになった印象を受けるのだ。

 

どうしてだろう? GSRシリーズに付いていた2本出しの大きなマフラーがなくなったからだろうか? スペックを見比べてみれば、…ははぁ、なるほど。キャスター&トレールが変更されている。26°/105㎜のGSRシリーズに対して、V‐ストローム250は 25°‌  ‌10′/100㎜とちょっとフロントフォークが立ち気味になり、ホイールベースも5㎜ほど短縮されたようだ。

 

それを理解した瞬間、僕の頭のなかで、V‐ストローム250が盛大に砂ぼこりを巻き上げながらジャリ道を駆け抜けていった。この扱いやすさがあればフラットダートぐらいは余裕なハズだ。これはキチンと走って確かめてみなくてはならないだろう!

 

とはいえ、まずはロードセクションをしっかりインプレッション。はやる気持ちを抑えながら高速道路へとV‐ストローム250を連れ出した。高速道路での安定感は、やはりGSRゆずりのキャラクターが活きている。60㎞/hを超したあたりから直進安定性が増し、トップスピードでもほぼハンドルに手を添えているだけで直進してくれる。高速道路を使った移動は実際かなりラクだ。

 

また今回はリヤキャリアに大荷物も積んでみたのだが、積載時の安定性もGSRゆずり、…というかむしろシートフレームまわりの剛性が高められたことで車体がふられにくく、走りやすくなっている印象を受けた。残念ながら今回は純正パニアケースを付けられなかったが、そのうちこれらにキャンプ道具を満載にして走ってみたいところ。きっと期待どおりの結果を見せてくれるに違いない。やる前からその確信がある。

 

オフ乗りしても、ヒザを突き出してロード乗りしても、キッチリ応えてくれるロードスポーツ性を持っていた。V-ストローム250は舗装路を攻めてもおもしろい

 

高速、峠、林道までも。こいつの旅は終わらない

※記事の内容はNo.184(2017年7月24日)発売当時のものになります