HONDA REBEL1100T Dual Clutch Transmission

HONDA REBEL1100T Dual Clutch Transmission(2023年モデル)イメージ

CRF1100Lアフリカツインの2気筒エンジンを使ったクルーザー、レブル1100に派生モデルが登場。それが今はやりのバガー仕様“レブル1100T”だ。2023年2月23日に発売されたばかりの新型にさっそく乗ってきた。そこで感じた魅力を解説する。

文・写真:濱矢文夫/写真:関野 温

クルーザーらしさとイージーなDCTが融合

HONDA REBEL1100T DCTのスタイリング

ワイルドさと実用性をあわせ持つ新バガー

HONDA REBEL1100T Dual Clutch Transmission(2023年モデル)走行イメージ

 

クルーザーなどのツーリングバイクをベースに、幅が大きめのフェアリングと両サイドに荷物が入るハードケースを取り付けてスタイリッシュにまとめたものが“バガー”と呼ばれている。ここ数年人気が高まっているのは確かで、もともとはカスタムの一つとして登場したのだけれど、各車両メーカーもそのブームに反応して純正バガーを発売し始め年々機種が増えている。なんとアメリカでは後ろに箱を取り付けたまま、レーストラックを走り速さを競う“キング・オブ・ザ・バガーズ”が開催されているのだからおもしろい。

 

もちろん日本メーカーだってだまっちゃいない。ホンダからはレブル1100をベースにバガーにしたレブル1100Tが発売された。低く構えた幅広いフェアリングに、左右に装着されたケースはリヤフェンダー形状に合わせたデザインで、実用を追求したツーリング専用モデルとちょっと違う。バガーらしいチョイワルな感じを漂わせている。ちなみに、これがホンダ初ではなく、ゴールドウイングF6BやCTX1300と早くから積極的にこのジャンルへ機種を投入してきた。

 

それはさておき、レブル1100に搭載されている1082㏄エンジンは、CRF1100Lアフリカツインに搭載された水冷4ストロークOHC4バルブ並列2気筒がベース。同じエンジンを使うロードスポーツのホーク11はECUでよりレスポンシブルで回して伸びる感じを出して、ヨーロピアンツアラーのNT1100は吸排気に手を入れて独自のフィーリングに。このレブル1100はフライホイール重量を大幅にアップさせ、その恩恵で低回転域でもトルクが出て、ゆっくり走ってもドコドコとした鼓動感とともにゴロゴロと転がるように進むクルーザーらしさがある。270度クランクの不等間隔爆発らしい、いい意味でのゆらぎが個性のある出力特性になっているのだ。

 

試乗したのはDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)仕様で、これがクルーザーと実に相性がいいのだ。なんてったってエンストしないんだもん。ゆっくりUターンから渋滞街乗りでも、アクセル操作だけのイージーさ。ATモードだとギヤは自動で切り替わり気を使うことがない。左足のシフトチェンジから開放されるのはとても楽チン。

 

ライディングモードは、自分の好みで設定できるユーザーモードの他に、3種類のモードがプリセットされている。“スポーツ”はレスポンスがよく、カントリーロードをちょっとスポーティに走りたいときに最適。ただストップ&ゴーが多い都市部だと、フライホイールの影響もあってか、回り出すとスロットルを閉じてもすぐに止まらない感じで、低回転域でギクシャクした動きになることも。そんな場合は“スタンダード”がオススメ。それでもまだ完全にはその特性は消えないから、さらに気になるなら“レイン”だ。

 

DCTはマニュアルモードでなくても左手で任意にシフト操作ができるから、発進したら早めに1速上げてその動きを緩和する方法もある。速度によってECUの判断でシフトアップできないこともあるけれど、慣れたらそのタイミングがつかめてくる。アクセル操作をより穏やかにするのもベター。シャカリキに走るバイクじゃないし。気にする人もいるだろうからあえて正直に書いたけれど、私はそれほど気にせず走れた。指によるシフト操作はATモードで走行中にエンジンブレーキがほしいときなどにも使えるから便利だ。ダウンしたギヤは、スロットルを開けていけばまた自動でアップする。

 

HONDA REBEL1100T Dual Clutch Transmission(2023年モデル)走行イメージ

 

試乗した日はものすごく寒かったからフロントカウルの効果は一般道でもわかった。低いスクリーンなのでヘルメットには風を感じるが、上半身の肩から下は風を防いでくれた。当然だけど確実に効果はある。サイドケースはハンドルバーの幅に収まっている。直進ならハンドルバーがあたらずに通過できたらぶつけない。ただ曲がりながらの場合は少なからず内輪差があるから意識しよう。ホンダらしくクセのないハンドリングで、ペースを上げて走っても戸惑うところがない。寝たフォークもスムーズに動いて、ブレーキでの速度制御も問題なし。ミッドコントロールでヒザの曲がりが90度に近いから、ペグを踏み込んで動かすのがやりやすいのもいい。ワイルドな見た目ながら汎用性が高いのがレブル1100Tの実力。そして魅力。

IMPRESSION by 吉田

寒い時期でも快適に走れる旅のよき相棒

弟分のレブル250は足つきがよく車体も軽いので、軽快に走り回れる。一方レブル1100Tは車重があり、どっしりと走るのに向いている。エンジンもパワーがあるため、高速道路で余裕な走りが楽しめるのもいい。さらにフェアリングとサイドケースが与えられた‟Tˮは、ウインドプロテクション性能が高く、着替えプラスαの荷物も積める。長距離ツーリングの相棒にピッタリのツアラータイプのクルーザーだ。まさに‟Tˮの文字がふさわしい。しかも試乗したのは寒い時期だったので、フェアリングと標準装備されているグリップヒーターにはとても助けられた。

次ページ:HONDA REBEL1100T DCTのディテールを紹介!

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電話番号
0120-086819
URL
https://www.honda.co.jp/motor/

※記事の内容はNo.251(2023年2月24日)発売当時のものになります

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