つねに時代の先端技術を投入されたマシンだけに、86年の誕生から、数度にわたるモデルチェンジが行なわれたNSR。その進化の過程を紹介しよう
写真:武田大祐
HISTORY OF NSR250R 〜NSR250R進化の遍歴〜
※年式は発売年ではなく、あえてモデルイヤーを記載しています
‘87 MC16
‘88 MC18(SP)
‘89 MC18
‘89 MC18(SP)
‘90 MC21
‘92 MC21(SP)
‘94 MC28(SP)
‘96 MC28(SP)
他メーカーのライバルたち
NSRの登場によりレーサーレプリカブームはさらに過熱するワケだが、他メーカーのライバルマシンの存在も、ブームをより熱くしたのだった。
まず、かつて2ストロークメーカーであったヤマハは、80年代に入ると最後の2ストと位置付けたRZシリーズが大ヒット。まさしくレーサーレプリカの元祖である。そしてWGPでもホンダとヤマハは最大のライバルとして互いにしのぎを削るのだ。市販車ではRZからTZRへバトンを受け継ぎ、後方排気やV型エンジンの採用など、戦闘力を高めていった。
YAMAHA TZR250
次にスズキはアルミフレームを搭載したRG250Γを他に先駆けて発表。その後はV型となり、ペプシやラッキーストライクなどといった、WGPマシンのカラーリングを採用したモデルも発売。また、96年に最新モデルを発表するなど、最後まで2ストレプリカを作り続けることとなる。
SUZUKI RGV250Γ
そして現在は2ストロークのイメージが薄れているカワサキだが、70年代後半にWGP250㏄クラスを席巻したGPマシンのテクノロジーを受け継ぐKR250を84年に発表。シリンダーを縦に並べたタンデムツインという独自のエンジンレイアウトを持ち、その後、KR-1、そしてKR-1Rと80 年代末まで2ストレプリカモデルを開発するのだ。
KAWASAKI KR-1R
※本記事は『Under400』No.04(2007年4月8日発売)に掲載された当時の内容を再編しています