工具メーカーからレビュー用?の工具が届いた

ある朝、編集部へ行くとデスクに茶封筒が届いていた。送り主は、新潟県は三条で“にぎりもの工具”を作っているスリーピークス技研。ここの営業である五十嵐さんとは、工具ショップファクトリーギアの『TOOLS BAR』というYouTube動画に一緒に出演したことがある。

 

 

なんか頼んでたっけ? と思いながら開封してみると、「結束バンド2WAYニッパ」が入っていた。どうやら新製品らしくプレスリリースも同梱。つまりこれは、「いいもんできたから、ちょっと使ってみろや! んで、よかったら記事書けやっ!」という挑戦状ってワケだ。

 

 

受けてやろうじゃないかっ! どれどれ挑戦状を読んでみると、なんとプラスチックと金属ということなる素材を1本のニッパーで切ることができるというじゃないか、こりゃすごいかもしれん。

 

…ええっと、工具。それもニッパーに興味がない人はなんのことかさっぱりですね。ちょっとニッパーについての説明を軽くしておくと、物を切断するっための握りモノ工具であるニッパーは、素材や用途によって刃先の作りがまったく違う。大雑把に分けると、柔らかいプラスチック切断用と、針金などの軟鉄用、ピアノ線といった硬線用の3種類分けられる。

 

柔らかいプラスチック切断用はとにかく刃が薄く、切れ味をよくするというのが最近のトレンド。その極右はプラモデル用で、パーツを切り出す場合にいかにバリ残りを減らし、綺麗にカットできるようにするかに、日本のニッパー屋さんは心血を注いでいる。実際に使ってみると、ニッパーにありがちな「パチンッ!」という切断音ではなく、「スッ」という切れ味が病みつきになる切れ味だ。

 

一方、金属用は刃が厚く両刃が採用されることが多い。部材を押し切る感じで、刃物で言えば鉈みたいな印象だ。しかも、おなじ金属用でも針金系の軟鉄とステンレスでは部材の硬さが段違いだし、ピアノ線となるとさらに硬く、ピアノ線専用のニッパーが売られているくらいだ。ちなみに僕がいつも使っているニッパーは、刃先は軟鉄用の刃の角度が薄く、根元に行くにつれて刃先が鈍化し、最終的には2㎜のピアノ線が切れるというバーコ社のニッパー。…ただね、そんなマルチユースの機能に惚れ込んで買ってはみたけど、バイクの整備でピアノ線ってそうそう切る機会がないんだよね〜(笑)。

 

バイクの整備、修理で必要となるのは、せいぜいステンレス線の切断くらい。それどころか一番多い作業は、配線をまとめるプラスチックの結束バンドのあまりの切断だったりする(笑)。しかも、これが意外に手強い。金属用のニッパーだってプラスチックはもちろん切断できるのだが、刃が分厚いおかげでキレ残りができやすく、これが実に仕上がりがきたない。

 

切れ残った結束バンド。これが整備時に服や指先に引っかかって痛い思いをするのだ(笑)

 

そこへ今回の商品の登場である。刃に2段階の角度が設けられており、刃先で結束バンドの切断。根元で1.5㎜の鉄線を切ることができるという。1.5㎜の鉄線はともかく、気になるのはプラスチック用の刃先の性能だ。というのも、鉄線用のニッパーって、あんまり結束線をキレイに切れないんだよね。両刃で押し切っているから、切断面も潰れてしまう。そこへ行くと今回の商品は、刃先が片刃だから、プラスチックの切断がシャープに行なえ、切断面もキレイに仕上がるというワケだ。

 

ごらんのとおり、刃が途中で両刃から片刃へと変化している、これが2WAY仕様の秘密だけど、これってかなり技術的、加工的に難しいことなんじゃ⁉︎

 

しかも便利なことに、スプリングがついているため、自動的に刃先が開く。これは結束バンドをとにかくたくさん処理するような場合にはとても便利。ライダーが持つべきニッパーはこれ一本でたいていこと足りるハズだ。

 

結束バンド2WAYニッパ」。うーん、こいつは十分、物欲を刺激してくれますねぇ。ただ、僕みたいに工具箱の中にボンボン工具を放り込むタイプのズボラ人間だと、刃先の欠損が気になるところ。なんとなく片刃は欠損しそうで、プラスチック用のニッパーは買ったときのケースに入れている。だけど、それもなんだか面倒なんだよね。簡単に取り付けられるキャップがあるといいなぁ。

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問い合わせ先
株式会社スリーピークス技研
電話番号
0256-33-0571
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http://www.3peaks.co.jp/
やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

コメント 4件

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    by うな2018/10/5 21:45

    仕事でニッパーを使いますが、刃先より先にスプリングが破損して買い替える事も多く、この商品の板バネに見える黄色いスプリングの耐久性が気になります。

  • by やたぐわぁ2018/10/6 12:10

    さすがにそこまで使い込んでないですが、このスプリング部分は取り外しもできるので、パーツさえ出れば交換は可能かと。

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  • by やたぐわぁ2018/10/6 16:47

    メーカーの担当さんから返答きました。3本セットの換えスプリングがパーツとして売られているそうで、交換も引っこ抜いてさすだけ。ただこのプラスチックバネ自体も、自社の金属スプリング10倍の強度があるそうです。

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    by うな2018/10/6 22:22

    私の気軽な書き込みに対し、やたぐわぁさんにお気遣いいただき恐縮です。有難うございました。交換可能とはユーザーファーストですね。しかも強度は金属スプリングの10倍とは心強い限りです。それにしても日本企業の技術に感服します。

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