ピアッジオグループジャパンは、フラッグシップスーパースポーツの「RSV4 Factory」と、ミドルウェイトスポーツの「RS 660 Factory」を発売。全国のアプリリア正規販売店で受注を開始した。日本への導入台数は、それぞれわずか12台。2モデルを合わせても24台という希少なラインアップだ。
RSV4 Factoryは、MotoGPマシン由来のエアロダイナミクスと220HPを発生するV4エンジン、さらに予測型電子制御を搭載したアプリリアの頂点。一方のRS 660 Factoryは、軽量な車体と105HPの並列2気筒エンジンをベースに、前後オーリンズ製サスペンションを標準装備した待望の上級仕様となる。
単なる限定カラーではない。サーキットで鍛えられた技術と、所有欲を刺激する専用グラフィックを融合した、まさに「Factory」の名にふさわしい2台である。
RSV4 Factory|220HPのV4+MotoGPの翼+速さを予測する

新型RSV4 Factoryの心臓部には、排気量1,099ccの65度V型4気筒エンジンを搭載する。最高出力は220HP/13,000rpm、最大トルクは127Nm/10,800rpm。EURO 5+規制に対応しながら、世界でもトップクラスとなる公道走行可能なスーパースポーツの性能を実現した。

外観でまっ先に目を引くのが、新設計されたボディワークだ。フロントには、アプリリアのMotoGP参戦で得た知見を活かした一体型ウイングレットを採用。2枚のウイング面を重ねた形状によってダウンフォースを高め、高速域での安定性とコーナリング精度の向上を狙っている。新しいフェアリングは従来のRSV4と比較して空気抵抗係数を6%、ウィリー傾向を8%低減。ライダーに伝わる熱を抑える形状や、新型ラジエーターファンも採用され、速さだけでなく快適性まで磨き上げられた。

さらに、5インチカラーTFTディスプレイやバックライト付きスイッチボックスを装備。フロントブレーキには、従来のStylemaより軽量かつ高効率とされるBrembo製Hypureキャリパーが採用されている。
RSV4 Factoryの大きな進化が、適応型・予測型の電子制御システムだ。速度、バンク角、ギアポジション、スロットル開度などをリアルタイムで処理し、必要な介入を事前に予測。さらに、車体の動きやライダーの走行スタイルを継続的に分析することで、ウイリーコントロールやトラクションコントロールを、よりなめらかかつ正確に作動させる。

新型AWC(アプリリア・ウイリー・コントロール)は、前輪が浮いてから急激に介入するのではなく、ウィリーが発生する前から制御を開始。ASC(アプリリア・スライド・コントロール)にも予測機能が与えられ、リヤタイヤの横滑りを3段階で調整可能。
足まわりには、Öhlins Smart EC 2.0電子制御サスペンションを採用。フロントにNIX倒立フォーク、リヤにTTXモノショックを装備し、電子制御ステアリングダンパーや軽量鍛造アルミホイールも標準となる。

GPSモジュールを含むレースパックでは、サーキットのコーナーごとにATCとAWCの設定を自動変更する「Corner-by-Corner」機能を利用可能。セミアクティブサスペンションの設定もコーナーごとに自動調整されるなど、レーシングマシンさながらの制御が盛り込まれている。

専用カラーは、ブラックを基調にインディゴとレッドを組み合わせた「シェイクダウン・インディゴ」。先鋭的なエアロパーツと、ノアーレのレーシングイメージを強く印象づけるグラフィックだ。価格は363万円。2026年8月から出荷が開始され、日本への入荷台数は12台となる。
RS 660 Factory|183㎏の軽さ+105HP! ミドルスポーツの常識をもう一段引き上げる

RS 660は、日常で楽しめる扱いやすさと、サーキットでも通用するスポーツ性能を両立させたアプリリアのミドルウェイトモデルだ。RS 660 Factoryに搭載される659㏄並列2気筒エンジンは、EURO 5+規制に対応するとともに、スロットルボディ径を従来の48㎜から52㎜へ拡大。最高出力は従来の100HPから105HPへと引き上げられ、最大トルクは70Nmを発生する。燃料を90%搭載した状態での車両重量は183㎏。軽量なアルミ製ツインスパーフレームとコンパクトなエンジンを組み合わせることで、軽快なハンドリングを実現している。

新しいフロントフェアリングには、大型ウイングと二つの小型エアロパーツを追加。走行時の空気抵抗を抑えながら、高速走行時の安定性を高める設計となった。サイドフェアリングは、エアロパーツを組み込んだダブルレイヤー構造を継承。CFD解析、風洞実験、公道およびサーキットでのテストを経て、ライダーへの風圧を低減しながら、エンジンやラジエーターから発生する熱気を効率よく排出することを目指している。

電子装備も充実。バックライト付きハンドルバースイッチと5インチフルカラーTFTメーターを採用し、視認性と操作性を向上。APRC電子制御パッケージには、ローンチコントロールが新たに追加された。そのほか、トラクションコントロール、ウィリーコントロール、クルーズコントロール、アップ&ダウン対応クイックシフター、エンジンブレーキ制御、複数のエンジンマップを装備。6軸慣性プラットフォームとマルチマップ式コーナリングABSも標準となる。

さらにフロントには43㎜径のÖhlins製NIX30シリーズ倒立フォーク、リヤにはリザーバータンク付きのÖhlins製STX46ショックアブソーバーを標準装備。前後ともリバウンド、コンプレッション減衰力、スプリングプリロードを調整できるフルアジャスタブル仕様となる。一般道では軽快で上質な乗り味を引き出し、サーキットではライダーの好みや走行条件に合わせた細かなセッティングが可能。RS 660シリーズの中で最もスポーティかつプレミアムなモデルという位置づけだ。

専用カラーは、鮮烈なイエローとブラック、レッドを組み合わせた「シェイクダウン・イエロー」。ウイングレットやゴールドのオーリンズ製サスペンションを視覚的にも際立たせ、ひと目でFactoryと分かる存在感を放つ。価格は198万円で、2026年8月頃から順次出荷される。
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