バイク用語辞典

『た行』から始まる用語

  • ダート

    舗装されていない道のこと。土砂が堆積したり岩石が露出したガレ場、走ると砂利が動いてすべりやすい深砂利、路面がある程度固められて比較的走りやすいフラットダートなどがある。

    ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2017年1月16日月曜日

  • タイヤサイズ

    190/50ZR17というサイズ表を例に挙げて解説する。190はタイヤ幅、50は扁平率、ZRはZが速度レンジ、Rがラジアルタイヤを指し、17はホイールサイズ。バイアスタイヤの場合はZRの部分が速度レンジ表記だけとなる。交換時には、基本的にこの表記がすべて同じものを選ぶこと。

  • タコメーター

    エンジンの回転数を表すメーター。視覚的にエンジンの回転数を確認できるため、スムーズなシフトアップ・ダウンの目安となったりアイドリングの状態も知ることができる。

    ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2017年12月27日(水)

  • 立ちゴケ

    走行中ではなく、停車時やUターンなどの極低速時にバランスをくずして転倒すること。

  • WMTCモード燃費

    バイクの燃料消費率(燃費)の計算方式で、実測値ではなく各種データからの計算値ではあるが、より実際の運行状況に近い燃費となることが多いため、定地走行燃費よりもはるかに参考になる。

  • WGP

    二輪ロードレース世界選手権のかつての呼称。01年まではWGPだったが、2002年からMotoGPという名称に変更された。

  • 暖機(運転)

    走り出す前に冷えたエンジンを温めるためにアイドリングをすること。低回転だとエンジン内部をオイルが循環しにくいため、少しだけ(おおむね3,000rpm)回転数を上げて、エンジンの下部が人肌程度に温まったらゆっくり走りながら温めるといい。必要以上の暖気は逆効果も招くため、車種によっては「アイドリング状態で放置しないように」と注意書きされていることもある。

  • 単気筒

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  • タンクバッグ

    吸盤やマグネットなどを利用して燃料タンク部分に固定するバッグ類のこと。

  • 鍛造(たんぞう)

    金属を叩き伸ばして成型する技法で、打ち刃物が代表例。鋳造よりも強度面にすぐれ、素材が同じでも鍛造の方が軽量化できる。ただし製造に手間がかかるため製品コストも高い。

  • タンデマー

    バイクでタンデム(二人乗り)をした際、後ろに座る同乗者のこと。パッセンジャーともいう。

  • タンデム

    2人乗りのこと。

  • タンデムシート

    タンデマー用のシートのこと。後部座席。

  • チェーンルブ

    チェーンに塗装するオイルのことで、チェーンに注油するときに使用する。

  • チタン

    鉄よりはるかに軽く、アルミよりはるかに強いため、レーサーなどの軽量化のために使われる金属。加工・量産が難しく高価。

  • 千鳥走行

    「ちどりそうこう」と読む。マスツーリングなど複数のバイクで走るときによく用いられる集団走行の方法。全体が2列縦隊となって、左右の列が車両1台分程度の間隔でずれた位置に交互に並んで走る。グループ全体の全長を短くできるうえに車両同士が適切な車間距離をたもて、かつお互いを視認しやすくなる。

  • チャンバー

    主にバルブを持たない2ストロークのエキゾーストパイプ中央部に設けられた膨張室のこと。排気圧をコントロールすることでバルブの代わりをしたりしてエンジンの特性を変えている。

  • チューニング

    エンジン内部の研磨やキャブレターの調子を整え、性能の向上を図ること。または、自分好みの設定にすること。

  • チューブタイヤ

    タイヤとホイールの間に空気が入ったチューブがあるタイヤのこと。現在の主流はチューブレスタイヤだが、オフ車や一部の車両などに採用されている。また、パンク時には一気に空気が抜けてしまうことが多い。

  • チューブレスタイヤ

    タイヤとホイールの間に空気を入れるタイヤのこと。タイヤの内面に気密保持性の高いゴム層を持つので、パンク時の急激なエア抜けが少ない。現在、ロードモデルの多くはチューブレスタイヤを採用している。

  • 鋳造(ちゅうぞう)

    一度溶かした金属を型に流し込んで成型すること。コストは低く抑えられるが、強度と重量は鍛造に劣る。

  • チョーク

    キャブレター車のエンジンを始動しやすくするために一時的にガソリンの濃度を高める機構のこと。ガソリンが濃くなり、エンジンがかかりやすくなる。走行する際にはもとに戻しておくこと。フューエルインジェクション車やスクーターはオートチョーク機能が祖備わっている。

  • 直4(チョクヨン)

    シリンダーが4本あり、それらが一直線に並んでいる直列4気筒エンジンの略称。インライン4(フォー)ともいう。

  • チョッパー

    アメリカンのカスタムスタイルのひとつで、はるか前方に伸びる長いフロントフォークや高いハンドルバーなどが特徴。映画「イージーライダー」に登場するバイクが代表的な例。

  • 2スト・2ストローク・2サイクル

    吸気、圧縮、爆発、排気の4行程をピストンが1往復する間に行なうエンジン形式のこと。バルブやカムシャフトがないため軽量コンパクトなエンジンを設計できるが、排気ガスを浄化するのが難しいので近年はほとんど存在しなくなった。

  • ツーリング

    Touring。バイクで行なう旅行(Tour)のことで、バイクに乗ったら一度はやりたい。クルマでいうドライブや遠乗りに当たるが、距離や期間などによって、日帰りツーリング、ロングツーリングなどと呼ぶ。

  • ツアラー/高速ツアラー

    風防効果の高いカウルを装備したり、余裕のあるライディングポジションを持つなど、高速巡航時のライダーに対する負担を軽減する工夫をこらした長距離ツーリング向けモデルのこと。ホンダのGoldWingやカワサキのニンジャH2 SX SE+などが該当。

  • ツイン

    シリンダーが2つあるエンジン。Vツイン、Lツイン、パラ(レル)ツイン、ボクサー(対向)ツインなどがある。

  • ツインサス・ツインショック

    リヤのショックユニットを車体左右に1本ずつ装備するリヤサスペンションの機構。オーソドックスなスタイリングなのでレトロやネイキッドモデルに多く採用されている。

  • DIY

    Do It Yourself=自分でする、という意味。カスタムや修理を自分で行なうときに使う。「マフラーをDIYで取り付けた」など。

  • DOHC

    Double Over Head Camshaft。カムシャフトが2つある方式で、ツインカムともいう。現在の高性能車はほとんどがDOHCを採用する。

  • ディスクブレーキ

    ホイールと一緒に回転する円盤(ディスクローター)に摩擦板(ブレーキパッド)を両側から押し当てて制動力を生むブレーキのこと。

  • 定地走行燃費

    カタログなどに記載されている、メーカーが一定の条件下で出した燃費。最近は、より実際の走行状態に近い値が得られるWMTCモードで計算した燃費数値も併記されることがある。

  • デコンプ

    デコンプレッション=圧抜きの略。セルスターターではなくキックでエンジンを始動させる場合、ピストンが混合気(ガソリン)を圧縮するので、大きな力が必要となる。その際、排気バルブを開きシリンダー内の圧を抜く装置がデコンプである。レバーで操作する手動式のもの以外に、キックアームの動きと連動するオートデコンプがある。

  • デッドエア

    衣服の内部に抱き込まれ、外部に流出しない空気のこと。自分の体温がデッドエアを暖めることで保温効果が得られる。

  • デュアルパーパス

    dual purpose=2つの目的。つまり、オンロードとオフロード、どちらの走行も想定して作られたバイクのこと。

  • 電子制御サスペンション

    バイクの挙動や路面状況を車体の各部に配置したセンサーで感知し、自動的にダンパー特性を変更する仕組み。従来、フロントフォークリヤショックといったショックアブソーバは、スプリングのバネレートとプリロード、オイル流動による減衰力で制御されてきたが、このうち減衰力をセンサーと連動させて瞬時に特性を変更できるというもの。YZF-R1M やS1000RR などが同種の仕組みを採用。プリロードはマニュアルで設定可能なので従来同様のセッティングも可能だ。別途説明する走行モードと連動して自動制御されることが多い。

  • 電動ファン

    ラジエターを流れる冷却水は走行風によって冷やされるが、電動ファンはファンの駆動をモーターによって行なうことで冷却する。バイメタルというある一定の温度で反る金属板をスイッチに使い、温度が上がればファンが回り、下がると止まる。

  • 電熱ウエア

    電気カーペットのように電気で発熱する素材が仕込まれた防寒ウエア。電力を車載バッテリーからとる直結タイプ、バイク以外の用途にも使えるモバイルバッテリータイプ、どちらも使える共用タイプがある。

  • 倒立(フォーク)

    通常はフロントフォークのアウターチューブが下になり、その中をインナーチューブが出たり入ったりしてショックを吸収するが、その上下が逆になったもの。剛性が高く、スーパースポーツモデルや一部のオフロードモデルに採用される。

  • トップケース

    車体後部のキャリアに設置するケースのこと。

  • トライアル

    段差や起伏のあるコース内で足を着かず、止まらずに走破できるかを競うレース。スリムで軽量な専用マシンを使用する。

  • トラクション

    駆動力。タイヤが地面を蹴って車体を前に進ませようとする力。速く走るためにはつねに安定したトラクションが必要。

  • トラクションコントロール(トラコン)

    前後輪の車速センサーが、アクセルの開け過ぎなどで起こる後輪の空転を感知すると、自動的にエンジンの出力を制御を行なって空転を抑え、スリップダウンなどによる転倒を防ぐ安全装置。

  • トラスフレーム(トレリスフレーム)

    橋などにも見られる、部材で両端を三角形につないだ構造のフレームのこと。軽量ながら耐久性も高いといわれており、ニンジャH2などに採用されている。

  • トラッカー

    路面が土の周回路(トラック)でリヤタイヤをすべらせながら走るダートトラックレーサーのスタイルを模したジャンル。かつてのホンダのFTRやスズキのグラストラッカーなどがこれにあたる。

  • ドラッグ

    drag=引っぱる。ドラッグレースといえば、クルマ・バイクの加速競争のこと。停止状態から402.33m(1/4マイル)先のゴールまで、どちらが先にたどり着くかを2台で競い合う。よく試乗記事で「ドラッグ風の〜」とあるが、これは加速性能(の凄まじさ)や低く構えたポジションに対して用いられる表現。

  • ドラムブレーキ

    ホイールと一体になって回転しているブレーキドラムの中に、回転しない摩擦材を貼り付けたブレーキシューと呼ばれるものがあり、ブレーキをにぎるとそのシューが広がってドラムを内側から押し回転を制動する。

  • トランスポーター(トランポ)

    バイク用語ではバイクを載せて走ることができるクルマのこと。一般的には荷物を運ぶ輸送車のことをいう。

  • トリップ(メーター)

    走行距離を表示するメーター。リセットできるので任意に走行距離を計測できる。

  • 取りまわし

    駐輪時や狭いところを移動する際、エンジンを切った状態でバイクを押して歩くこと。それら押し歩き作業全般を“取りまわし”という。バイク雑誌などで“取りまわし性”と称してバイクを評価するポイントの一つにすることがあり、たとえば、軽くて細身の車両であれば「取りまわし性(あるいは単に“取りまわし”)がよい」などと表現する。

  • トルク

    クランク軸を中心に1m先に付けたおもりを何㎏まで動かせるかということ。実際には、エンジンの力強さを表す言葉として「厚みのあるトルクが…」とか「トルクフルなエンジン性能」などと表現される。また、ネジを締め付ける力にもトルクという言葉が使われ、ネジの太さや材質によって規定値が異なる。エンジンオーバーホールなどの重整備には締め付けトルクを測定することができるトルクレンチが必要不可欠。

  • トレール

    “trail”とは「踏みわけ道」、あるいは「道」そのものを意味する単語。“trail bike(トレールバイク)”となると「悪路用のバイク」を指し、険しい山道などにも分け入ることが可能なオフロードバイクのカテゴリーを示している。

  • トレッド

    タイヤの路面と接する部分のこと。刻まれた溝のデザインをトレッドパターンという。

  • ドレンボルト

    drain=排水する、bolt=ネジ。油類などの液体を排出するための栓。バイク用語としてはエンジンオイルラジエター液の排出ボルトをドレンボルトと表現されることが多い。